<新興国eye>前週のブラジル株、米利上げ停止観測受け3週続伸=BRICs市況

新興国

2022/5/30 12:26

 前週(23-27日)のブラジル株式市場は27日のボベスパ指数が前日比0.05%高の11万1941.68、週間ベースでは20日終値比3.18%高となり、3週続伸した。

 週明け23日の指数は買い優勢で始まり、24日は小幅に値を上げ、4営業日続伸した。

 23日は、欧米市場が堅調となったほか、米政府の対中関税制裁の緩和方針が好感された。

 24日は、前日と同様に買いが優勢となったものの、国営石油大手ペトロブラスのジョゼ・マウロ・コエリョ社長が4月に就任してからわずか2カ月でボルソナロ大統領の意向により辞任に追い込まれ、経済省幹部のカイオ・マリオ・パエス・デ・アンドラーデ氏に交代したことが嫌気され、上値が重くなった。

 25日は小反落。同日公表の5月開催FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録は特段のサプライズはなく、ブラジル株式市場では無風通過となった。

 26日は大きく反発、週末27日も値を上げ、続伸した。

 26日は、米1-3月期GDP(国内総生産)・改定値が速報値から下方改定されたが、FOMC議事録で今後大幅な追加利上げはないことが示されたほか、鉄鋼大手ヴァーレなどが買われ、指数を押し上げた。

 27日は、海外市場では世界景気の後退懸念がくすぶる中、FRB(米連邦準備制度理事会)は6月と7月のFOMCで0.50ポイントずつ利上げしたあと、一時的に利上げサイクルを休止する可能性があるとの観測や、他の主要国も積極的に金融引き締めに走らないとの見方が強まり、ブラジル市場でも買い安心感が広がった。

 今週(5月30日-6月3日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側諸国の対ロ追加制裁、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治動向、財政規律問題が注目される。主な経済指標の発表予定は30日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)5月IGP-MIインフレ指数や31日の3月財政収支、1日の5月製造業PMI(購買担当者景気指数)と5月貿易収支、2日の1-3月期GDPと5月IPC-Fipeインフレ指数(サンパウロ大学経済研究所が発表する消費者物価指数)、3日の4月鉱工業生産と5月サービス業PMIなど。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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