<新興国eye>チェコ中銀、5対2の賛成多数で1.25ポイント利上げを決定

新興国

2022/6/23 12:33

 チェコ国立銀行(中銀)は22日の金融政策決定会合で、インフレ加速を抑制するため、政策金利の2週間物レポ金利を1.25ポイント引き上げて7.00%とすることを5対2の賛成多数で決めた。2委員は現状維持を主張して反対票を投じた。市場予想通りだった。

 中銀は最近のインフレ加速を受け、21年6月会合で20年2月以来、1年4カ月ぶりに利上げ(0.25ポイント)を再開し、8、9、11、12月に計3.25ポイント引き上げた。22年に入り2月に0.75ポイント引き上げ、これで利上げは21年6月以降で9会合連続となった。利上げ幅も計6.75ポイントに達した。政策金利7.00%は90年4月9日(7.25%)以来32年ぶりの高水準となる。

 中銀は会合後に発表した声明文で、追加利上げを決めた理由について、「国内のインフレ率は4-6月期にさらに大幅に上昇し、5月は(29年ぶり高水準の)前年比16%上昇に達し、予想を約1ポイント上回った」とした上で、「最新の経済予測に対するリスクと不確実性は急速なインフレ上昇であり、一段と強い金融引き締めに向けた行動が必要と判断した」としている。

 中長期のインフレ見通しについては、「22年の2ケタのインフレ率は23年上期に急速に低下し、23年後半には物価目標の2%上昇近くに戻る」とし、5月会合で発表した最新の経済予測を据え置いた。

 景気の見通しについては、前回会合時と同様、「今年のGDP成長率は大幅に鈍化し、下期には経済活動が前年比でわずかに縮小(マイナス成長)する」と予想。最新の経済予測では、22年の成長率は前年比0.8%増、23年は3.6%増に回復すると見ている。

 金融政策の見通しについては、「今後の金融政策は(次回会合時までに入ってくる)新しい経済データと将来の経済見通しに依存する」とし、前回会合時に用いた「次回以降の会合で金融政策をさらに引き締める可能性がある」との文言を削除した。市場では将来の引き上げには(予断を持たず)オープンなスタンスに転換したと見ている。ただ、今回が異例の大幅利上げだったため、利上げサイクルは今回の会合で終了する可能性があるとの見方も一部で出ている。

 次回の会合は8月4日に開かれる予定。

<関連銘柄>

上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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