<一撃!裏銘柄>攻守両面で存在感発揮――ニチアス

株式

2022/6/30 11:31

 ニチアス<5393.T>は攻守両面での強さに加え、環境対応やバリュエーションの魅力もあり中・長期視点でマークしたい。

 同社の今3月期の連結営業利益見通しは265億円(前期比0.9%増)。過去最高益を更新した前期に対して微増の予想だが、高機能製品と自動車部品の勢いが上ブレを期待させる。2027年3月期を最終年度とする中期経営計画では、売上高2500億円(前期は2162億円)、営業利益率15.0%(同12.1%)を目指す。ウイークポイントである建材領域での収益性改善も期待される。

 基幹産業から先端産業まで幅広い事業ポートフォリオを構築しており、市況リスクが分散されている体制も評価ポイント。また、販売先の細分化に加え保守メンテナンスにも強く、少量多品種への対応力に優れる。財務面では自己資本比率が62.5%と高く、不安定な相場環境下では大きな武器になるだろう。

 環境領域でも前傾姿勢を取る。同社は製品の製造時に排出されるCO2(二酸化炭素)の削減に取り組み、27年3月期の排出量21万7000トン(前期実績24万4000トン)、産業廃棄物排出量1万7100トン(同2万1600トン)を展望する。ESG(社会的責任)投資の観点からも期待できる要素だ。

 PER8倍台、PBR(株価純資産倍率)約1倍、配当利回り3.8%は割り負け感が強く、十分に見直せる水準だ。

提供:モーニングスター社

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