<新興国eye>前週のロシアRTS指数、対ロ追加制裁を嫌気し小反落=BRICs市況
2022/7/25 11:23
前週(18-22日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の22日終値が前日比1.69%高の1161.47、前週比では15日終値比0.01%安となり、小反落となった。
週明け18日の指数は買い優勢で始まり、20日まで4営業日続伸した。
18日は、プーチン大統領が急成長企業に対し、ロシア国内市場での資金調達を可能にする優遇措置を講じると発表し、イーコマース(電子商取引)最大手オゾンとインターネットサービス最大手ヤンデックスが急伸、指数の上げを主導した。
19日は、ルーブル高が相場を下支えしたが、EU(欧州連合)の対ロ追加制裁の報道で上値が抑えられた。
20日は、バルト海経由でロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプライン網「ノルドストリーム1」(総延長1224キロ、供給能力550億立方メートル)が10日ぶりに運用を再開したことが買い材料となったが、EUがロシア産金の輸入禁止を決めたため、上値は限られた。
21日は急反落。原油先物価格が1バレル=104ドルに下落したことや、英国のロシア産石炭・原油の輸入禁止、EUの対ロ追加制裁が嫌気され、売りが強まった。資源大手ポリメタルが無配に転落するとの憶測で急落。鉄鋼最大手セベルスタルも4-6月期の鉄鋼生産量が18%減少したことが嫌気され、急落。指数の下げを主導した。
週末22日は反発。前日の相場急落を受け、買い戻しが入ったほか、ロシア中央銀行が金融政策決定会合で、22年のGDP(国内総生産)見通し、インフレ見通しを改善方向に修正したことが好感された。
今週(25-29日)のロシア市場は、引き続きロシアによるウクライナへの軍事侵攻や西側諸国の対ロ制裁による地政学リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場などが焦点となる。このほか、原油価格に影響を与える26日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や27日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は27日の6月失業率と6月鉱工業生産、6月小売売上高など。指数は買い直しの動きが強まり、1100-1250の値動きが予想される。
<関連銘柄>
WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、原油<1690.T>、
野村原油<1699.T>
提供:モーニングスター社
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