<新興国eye>トルコ中銀、政策金利を引き下げ

新興国

2022/8/19 9:10

 トルコ中央銀行は18日の金融政策決定会合で、景気を支援するため、主要政策金利である1週間物レポ金利を1ポイント引き下げ、13.00%とすることを決めた。 市場は現状維持を予想していたため、サプライズとなった。

 中銀はコロナ禍からの景気回復に伴う急激なインフレ上昇を抑制するため、20年9月から利上げサイクルに入ったが、利上げ幅が20年だけで計10.75ポイントに達したため、利上げが行き過ぎたとして、21年9月に利下げに転換。同12月まで5会合連続で利下げした。その後、リラ安が進行し、インフレが急加速したため、22年1月から据え置きに転じたが、据え置きは前回7月会合の7会合連続で止まった。

 市場は、23年の総選挙までは低金利が続くと見ているが、一部では年末までにインフレ加速が危機的状況となり、緊急利上げに踏み切らざるを得ないとの見方もある。

 中銀は会合後に発表した声明文で、利下げを決めた理由について、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻などによりリセッション(景気失速)に陥るリスクが一段と高まっているとしたうえで、「トルコの第3四半期の経済指標は経済活動の勢いがやや失われていることを示しており、鉱工業生産の成長の勢いと雇用を維持するため、金融緩和が必要だ」とした。

 インフレ見通しについては、中銀は前回会合時と同様、インフレ加速が国内需要の拡大よりも供給サイドに原因があるとの見方を維持。利上げによる需要抑制、それに伴うインフレ抑制の必要性がないことを改めて強調している。

 今後の金融政策について、今回の利下げは一時的で、利下げサイクルに向かわない考えを示している。

 次回の金融政策決定会合は9月22日に開かれる予定。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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