<飛翔期待のお宝株>リオープンで収益劇的改善のコックス、相場は依然出遅れ

株式

2022/9/20 16:00

 上値が重い相場の環境下で、リオープン(経済活動再開)銘柄の勢いが飛び抜けている。そこで今回は、コックス<9876.T>を取り上げたい。業績が劇的に好転する同社は、コロナ前の業績を大幅に上回る復活を果たす途上にあると思われる。

インフレ追い風、イオンのTOB思惑も

 カジュアル衣料専門店の同社の23年2月期第1四半期(3-5月)連結業績は、売上高が38.4億円(前年同期比20%増)、営業利益が3.1億(前年同期は3.6億円の赤字)だった。先行して明らかになっていた同四半期の既存店売上が同37.2%増と好調だったことから期待値は高かったものの、利益の改善幅はそれ以上のサプライズだった。不採算店を大量に削減して採算性を高め、EC(=Eコマース、電子商取引)の拡大などを推進した効果が明確に表れた。

 同社は10月上旬に第2四半期(6-8月)決算を予定しているが、同四半期の既存店売上も29.3%増(上期では33.5%増)と勢いを維持した。3-5月の収益性を当てはめると、通期計画の営業利益(0.1億円)は大きな上方修正に向かう期待が高まっている。

 インフレで消費者の低価格志向が強まっていることも、需要面で追い風になっていると考えられる。上期の既存店客数は前年同期比15.9%増だった。また、資本の観点からは、親子上場の解消が日本企業のトレンドとなる中で、親会社イオン<8267.T>によるTOB(株式公開買い付け)思惑も根強い。

<押し目買いを狙う>

 株価は8月の月次売上(既存店は前年同月比45.0%増)の発表を受けて上昇基調に入り、16日は7月以来の200円に迫った(終値190円)。時価総額は50億円台、PBR(株価純資産倍率)は0.8倍台と、業績変化率を加味すれば依然としてリオープン関連の出遅れ株といえる。

 特に米国株に日本株がツレ安する局面では、押し目買いを狙いたいところだ。今後も四半期決算が進むごとに市場の評価は高まる公算が大きい。また、厳冬が到来するようなら、季節商材の売れ行きには好影響がありそうだ。

提供:モーニングスター社

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