来週の日本株の読み筋=日経平均2万6000円割れで正念場迎える

国内市況

株式

2022/9/30 16:30

 来週(10月3-7日)の東京株式市場では、9月30日の日経平均株価が3カ月ぶりに心理的なフシ目となる2万6000円を割り込み、今年3月安値からの反発後、サポートゾーン(下値は6月安値2万5520円)として機能してきた水準に差し掛かったことで正念場を迎えている。

 欧米金融当局のタカ派姿勢がもたらす世界景気の後退不安は日本株市場にも下げ圧力をかけている。物価高は幅広い範囲に広がっているため、インフレがピークアウトするタイミングは遅れつつある。原油や非鉄金属の市況は高値から大きく調整したものの、来週10月5日のOPEC(石油輸出国機構)プラスの閣僚級会合での大幅減産観測も浮上しているだけに予断を許さない。英国のトラス新政権による財政放漫や、イタリア議会選挙における右派の勝利といった新たなリスクもある。

 もっとも、世界的なタカ派傾斜と逆行する日銀の金融緩和姿勢や、政府が為替介入を実施したにもかかわらず継続する円安、コロナ後のリオープン(経済活動再開)本格化といった日本特有の要素は無視できない。このため、足元の日経平均の急落にはオーバーシュートの感がある。また、日経平均の構成銘柄入れ替えにかかる資金捻出の売り(推定5000億円規模)が、今週でおおむね一巡した。下げ加速の一因になったとみられるだけに、需給面で来週は幾分かの好転が期待される。

 なお、スケジュール面では、国内で3日に9月調査日銀短観、9月21、22日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、4日に9月東京都区部消費者物価、7日に8月家計調査などが発表される。海外では3日に米9月ISM製造業景況指数、5日に米9月ADP雇用統計、米9月ISM非製造業景況指数、7日に米9月雇用統計などが予定されている。

提供:モーニングスター社

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