<新興国eye>前週のロシアRTS指数、原油安や中国のコロナ感染拡大などを受け反落=BRICs市況

新興国

2022/11/21 9:04

 前週(14-18日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の18日終値が前日比0.39%安の1147.03、前週比では11日終値比1.00%安と、反落した。

 週明け14日は指数が3営業日続伸。翌15日は反落。16日は反発したが、17日は再び反落。

 週前半は、海外株高となったことが好感され、ロシア市場でも買いが優勢となった。また、EU(欧州連合)外相会議で新たな対ロ制裁を決めなかったことや、ロンドン金属取引所(LME)もロシア産金属の新たな輸入制限措置を見送ったことも支援材料となった。その後は、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。ブレント原油先物が1バレル当たり92ドルを割ったことも売り材料となった。新型コロナ感染拡大で中国からの原油輸入需要が低下するとの懸念が背景。

 週後半は、ウクライナ戦争が続く中、ポーランドに当初、ロシアからとみられるミサイルが着弾し、緊張が高まったが、その後、ポーランドもウクライナからの地対空ミサイルが誤って着弾したことを明らかにしたことを受け、買い安心感が広がった。また、国営天然ガス大手ガスプロムが中間配当の実施の意向を受け、急騰、上げを主導した。その後は、原油価格が91ドルを割ったことや、海外市場が軟調となったこと、さらには中国でのコロナ感染拡大を受け、コモディティ(国際相場商品)需要の低下懸念で売りが強まった。

 週末18日は続落。海外市場がまちまちとなる中で、中国のコロナ感染阻止の規制強化とFRB(米連邦準備制度理事会)による次回12月会合での積極利上げ観測を背景に原油相場が軟調となったことが嫌気され、売りが優勢となった。

 今週(21-25日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える22日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や23日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は23日の10月鉱工業生産と10月WPI(卸売物価指数)など。RTS指数は1100-1250の値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ