<新興国eye>トルコ11月経済信頼感指数、サービスが悪化、小売りと建設は3、6カ月連続で改善

新興国

2022/11/30 8:46

 トルコ統計局が前週(24日)発表したサービス業と小売業、建設業の経済状況を示す11月セクター別経済信頼感指数(季節調整後)は、サービス業の全体指数が前月比1.0%低下の118.1となり、前月(10月)の同0.9%上昇から3カ月ぶりに悪化、8月(116.2)以来の低水準となった。

 サービス業のサブ指数は、過去3カ月間の景況感(遅行指数)が前月比2.6%低下(前月は1.6%上昇)の117.2と、3カ月ぶりに悪化。過去3カ月間の需要(遅行指数)も同2.0%低下(同3.6%上昇)の116.8と、悪化した。ただ、今後3カ月間の需要見通し(先行指数)は同1.7%上昇の120.2(同2.3%低下)と、改善した。

 小売業は同2.1%上昇(同3.0%上昇)の121.9と、3カ月連続で改善。1月(124.4)以来の高水準となった。サブ指数のうち、今後3カ月間の販売見通しも同2.2%上昇(同7.2%上昇)の130.1と、4カ月連続で改善。過去3カ月間の販売活動も同2.6%上昇(同3.1%上昇)の132.6と、3カ月連続で改善した。一方、商品在庫は同1.5%上昇(同2.0%低下)の103.2となり、在庫過剰感が緩和した。在庫指数の「上昇」は在庫減、反対に指数の「低下」は在庫増を示す。

 建設業も同1.2%上昇(同2.8%上昇)の91.6と、6カ月連続で改善。21年11月(93.6)以来の高水準となった。サブ指数の受注残は同1.6%上昇(同2.7%上昇)の83.8と、2カ月連続で改善。今後3カ月間の雇用見通しも同0.8%上昇(同2.9%上昇)の99.4と、5カ月連続で改善している。

 経済信頼感指数はゼロから200までの間で算出され、判断の分かれ目は100。100を超えると「楽観的な見通し」、100を下回ると「悲観的な見通し」を示す。21年1月統計から指数の算定基準(調査対象など)が変更された。

 また、トルコ中銀が同日発表した11月の製造業設備稼働率(季節調整前)は75.9%と、前月(10月)の76.9%から1ポイント低下したが、依然、コロナ禍前の20年1月の75.5%を上回っている。コロナ禍が最も厳しかった同4月は61.6%と、09年4月の61.2%以来11年ぶりの低水準に落ち込んでいる。

 設備稼働率のうち、最も高かったのは投資財の76.8%(前月は77.4%)、また、最も低かったのは耐久財の72.1%(同74.0%)。このほか、中間財は75.4%(同76.7%)、非耐久財は74.5%(同74.9%)、消費財は74.1%(同74.7%)と、いずれも前月を下回った。

 一方、季節調整後の製造業設備稼働率は11月が75.9%と、前月(76.6%)を下回った。

<関連銘柄>

 上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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