<新興国eye>前週のロシアRTS指数、ルーブル安や原油安、海外株安を受け4週続落=BRICs市況

新興国

2022/12/12 8:59

 前週(5-9日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の9日終値が前日比0.23%高の1099.12、前週比では2日終値比0.80%安と、4週続落した。

 週明け5日は指数が反発。翌6日は反落した。7日は反発したが、8日は再び反落。

 週前半は、ブレント原油先物が1バレル当たり86ドルに上昇したことが好感され、買いが優勢となった。前週末、G7(先進主要7カ国)はロシア産原油の輸入価格の上限設定(5日)、EU(欧州連合)もロシア産原油の海上輸入禁止(5日)を決めたが、市場ではその実効性について懐疑的な見方が強まっている。ただ、中国政府がゼロコロナ政策を事実上、緩和する動きを強めたことを受け、原油価格が押し上げられた。また、アジア市場も堅調となったことが支援材料となった。その後は、原油価格が81ドルを割り込んだことや、世界的なリセッション(景気失速)懸念で海外株安となったことが嫌気され、売りが優勢となった。

 週後半は、原油価格が持ち直したことが好感され、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが広がった。ただ、FRB(米連邦準備制度理事会)の積極利上げ継続観測による世界的なリセッション懸念が重石となり、上値は限られた。米金融大手JPモルガン・チェース<JPM>など大手行は世界経済が今後数カ月、一段と悪化、23年からリセションに入ると予想している。その後は、原油価格が77ドルを割り込んだことや、アジアと欧州の株式市場が下落したことが嫌気され、売りが優勢となった。

 週末9日は反発。海外株高となり、ロシア市場でも買い戻しが広がった。しかし、原油価格が76ドルに下落したため、上げは限定的となった。市場では依然、G7のロシア産原油の輸入価格の上限設定やEUのロシア産原油の海上輸入禁止への懸念が続いている。

 今週(12-16日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える13日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や14日の米EIA週間石油在庫統計、FRBとロシア中銀の金融政策決定会合(それぞれ14日と16日)も注目される。主な経済発表の予定は14日の7-9月期GDP伸び率など。RTS指数は1070-1150の値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:モーニングスター社

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