TREHDの阿部社長、都市部での大型案件の受注動向が順調で「かなり忙しい状況」

株式

2022/12/15 9:05

 TREホールディングス<9247.T>は11月21日、23年3月期第2四半期累計(22年4-9月)の決算説明会の動画を公開した。

 14日開示の第2四半期累計の連結業績は、売上高が442億1000万円、営業利益が30億9400万円だった。TREHDは21年10月1日にタケエイとリバーホールディングスの2社の経営統合により共同持株会社として設立されており、前年同期との比較はない。

 同社は、「廃棄物処理・再資源化事業」「資源リサイクル事業」「再生可能エネルギー事業」の3事業を中心に展開。また、廃棄物処理・再資源化事業は、「収集運搬・廃棄物処理」「再資源化」「ランドフィル(最終処分場)」のサブセグメントに分けられている。

 廃棄物処理・再資源化事業における「収集運搬・廃棄物処理」では、資材価格の高騰や工期の遅延、燃料等の増加といった悪条件が重なったものの、「廃棄物の付加価値化、製品化に継続して取り組んだことで、若干の減収ながら営業利益を確保」(阿部社長)。「再資源化」および「ランドフィル」は、前期までに終了した大型スポット案件の減少により減収となったが、廃石膏ボードリサイクル事業は好調を維持し、廃液リサイクル事業も堅調に推移した。

 資源リサイクル事業は使用済自動車の発生減等が響いたが、的確な在庫マネジメントによるスプレッドを確保したほか、新規ライン増設等による再資源化の徹底などが奏功しており、収益は改善傾向にあるとした。

 再生可能エネルギー事業は、一部で木質チップの集荷に苦戦したが、6発電所とも、おおむね安定稼働を継続。特にFITが適用されていないRPFなどの燃料使用を拡大し、高い市場価格で売電したこと等により、営業利益は大きく増加した。同事業では、第1四半期に木質バイオマス発電所の法定点検期間があったことから6億1000万円の営業損失を計上したが、第2四半期に5億9900万円の営業利益を出し、「上半期で赤字はほぼ一掃された」(同)。

 なお、廃棄物処理・再資源化事業では「都市部の大型案件の受注動向が順調で、10月以降、かなり忙しい状況が続いている」(同)ことや、資源リサイクル事業では新車登録台数が9月から回復基調にあることから、通期の連結業績予想は、売上高942億円(前期比38.1%増)、営業利益93億円(同21.4%増)を据え置いている。

 設備投資については、設備、車両更新を含めて通期で125億円を見込んでいる。このうち、管理型最終処分場を建設中の門前クリーンパークは、8月の集中豪雨により被害を受けた影響で、工事完了予定を11月末から23年3月末に変更している。これに伴う総投資額の変更の有無は、現在精査中とした。

 環境産業の市場規模約110兆円のうち、TREHDが属する廃棄物・資源有効利用分野は約51兆円となっている。環境省ではこれを2030年に80兆円に伸ばす工程表を打ち出し、中でも金属リサイクルと廃プラ処理は現在の2倍に成長させるとしている。阿部社長は「7年間で30兆円伸ばすという環境省の構想は、TREHDの株式を中長期的に継続保有する大きなインセンティブになる」と述べた。

提供:モーニングスター社

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