<新興国eye>前週の上海総合指数、水際対策撤廃や景気支援拡大方針で3週ぶり反発=BRICs市況

新興国

2023/1/4 9:11

 前週(12月26-30日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数が週間ベースで3週ぶりに反発。30日は3089.26(23日終値比1.42%高)だった。

 週明け26日は指数が反発。翌27日も続伸した。28日は反落。29日も続落した。

 週前半は、これまでの急激な相場下落を受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化。なかでも台湾海峡の緊張を受け、防衛関連銘柄が買われ、上げを主導した。ただ、国内の大都市でコロナ新規感染者数が急増しており、上値は重くなった。その後は、新型コロナ感染拡大防止の水際対策(入国時の隔離義務)が1月8日から撤廃されることが決まったことや、新型コロナ感染が予想よりも早くピークを迎えるとの観測で、中国の経済再開期待が高まり、買いが一段と強まった。

 週後半は、コロナ感染防止策の緩和を歓迎しながらも、短期的には中国の医療ひっ迫が高まるとの懸念で買いが慎重となり、マイナス圏で引けた。その後は、経済再開が進む中、国内のコロナ感染が急増しているため、再び経済が停滞するとの懸念や人民元安の進行が懸念され、売りが優勢となった。

 週末30日は反発。米国の金融機関が23年の中国株への投資判断を相次いで引き上げたことや、政府が景気支援策として、23年は技術革新と主要戦略部門に財政支出を拡大する方針を示したことが好感され、買いが優勢となった。ただ、コロナ感染者の急増が懸念され、上値は抑えられた。

 今週(3-6日)の株式市場は新型コロナ感染拡大や台湾情勢を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場も注目される。主な経済指標の発表予定は3日の12月CAIXIN(財新)中国製造業PMI(購買担当者景気指数)や5日の12月CAIXIN中国サービス業PMIなど。2日は新年休暇のため、休場。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:モーニングスター社

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