<新興国eye>前週のブラジル株、財政悪化懸念や民営化計画の撤回などで3週ぶり反落=BRICs市況

新興国

2023/1/10 9:07

 前週(2-6日)のブラジル株式市場は6日のボベスパ指数が前日比1.23%高の10万8963.7、週間ベースでは12月30日終値比0.70%安と、3週ぶりに反落した。

 初商いとなった週明け2日は指数が急低下。翌3日も続落した。4日は反発、5日も続伸した。

 週前半は、ルラ新大統領が石油精製所へのPIS/COFINS(社会統合基金と社会保険融資負担金)の拠出金免除措置を延長する方針を決めたことや、国営石油大手ペトロブラスを含む国営企業8社の民営化計画を白紙に戻したことを受け、財政悪化懸念が強まり、売りが優勢となった。特に、ペトロブラスが急落、下げを主導。その後は、通貨レアル安の進行が嫌気され、一段と売りが強まった。ペトロブラスが続落し、相場を押し下げた。

 週後半は、ペトロブラスの新社長に就任したジーン・ポール・プラテス上院議員がガソリンなどの燃料価格を国際相場と連動して決める方針を示し、燃料価格を意図的に引き下げる政府の市場介に反対の意向を示したことが好感され、買いが優勢となった。ペトロブラスも急伸、上げを主導した。その後は、ペトロブラスが引き続き大幅高となり、また、鉱山大手ヴァーレも堅調となり、相場をけん引した。

 週末6日は3日続伸。ルラ新政権の初閣議が開かれたことが好感され、買いが優勢となった。また、指数のウエートが高い鉱山大手ヴァーレが鉄鉱石相場の上昇を受けて急騰、上げを主導した。

 今週(9-13日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢巡る米中関係、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、特にルラ政権の経済政策も注目される。主な経済指標の発表予定は10日の12月IPCA(拡大消費者物価指数)や11日の11月小売売上高、12日の11月鉱工業生産と11月サービス業成長率、13日のGDPの先行きを占う11月IBC―Br経済活動指数など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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