<新興国eye>前週のロシアRTS指数、海外株安や通貨ルーブル安を受け3週ぶり反落=BRICs市況

新興国

2023/2/13 9:05

 前週(6-10日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の10日終値が前日比0.62%安の971.95、前週比では3日終値比3.10%安と、3週ぶりに反落した。

 週明け6日は指数が反発。翌7日は反落し、9日まで3日続落した。

 週前半は、中国の気象観測用とされる気球をめぐる米中関係の悪化懸念などで海外株安となる中、ロシア市場では複合企業大手AFKシステマや天然ガス生産大手ノバテク、石油大手ルクオイルが急伸、相場をけん引した。AFKシステマの急伸は同社がロシア・カルーガ州にある独自動車大手フォルクスワーゲンの現地工場の買収に関心を寄せているとの報道が背景。その後は、これまでの相場上昇を受け、利食い売りが強まった。また、米政府がロシア産アルミニウムの輸入品に対し、200%のダンピング(不当廉売)相殺関税を課したことが売り材料となった。個別銘柄では国営金融大手VTB(対外貿易銀行)が自己資本の増強のため、2700億ルーブルの新株発行を発表したことが嫌気され、売りをけん引した。

 週後半は、海外市場がまちまちとなり、ロシア市場でも売りが広がった。また、政府が大手企業から利益の一部を国庫に納入する方向で協議しているとの報道が嫌気され、利食い売りが強まった。ロシアの22年の財政赤字は対GDP比2.3%の3兆3000億ルーブルに達したが、特に12月から今年1月にかけての財政赤字が過去最高の1兆7600億ルーブルとなったことが背景。その後は、海外市場が冴えない動きとなったことを受け、ロシア市場でも売りが優勢となった。ルーブル安も売り材料となった。

 週末10日は4日続落。引き続き、海外株安とルーブル安が相場の足かせとなった。ただ、政府が3月からロシア産原油の減産を発表したこと受け、ブレント原油先物が1バレル当たり86ドル超に回復したため、下げは限定的となった。

 今週(13-17日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える14日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や15日の米EIA週間石油在庫統計、さらにはロシアと中国、南アによる海上合同軍事演習(17日)も注目される。主な経済発表の予定は17日の22年10-12月期GDP伸び率など。指数は950-1020ポイントの値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:モーニングスター社

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