<新興国eye>前週のインド株、自律反発やアダニ・グループの株価回復を受け反発=BRICs市況

新興国

2023/3/6 9:07

 前週(2月27日-3月3日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の3日終値は前日比1.53%高の5万9808.97、週間ベースでは2月24日終値比0.58%高と、反発した。

 週明け27日は指数が下落。28日まで8日営業日続落した。3月相場入りした1日は反発。2日は反落した。

 週前半は、主要国の中銀の金融引き締めが長期化するとの懸念や弱い海外市場が嫌気され、売りが優勢となった。また、ソフトウエア輸出大手インフォシスなどITセクターが急落、下げをけん引。指数下落は7営業日連続と、22年9月以来、5カ月ぶりの最長となった。その後も売りが一段と強まった。22年10-12月期GDP伸び率が前年比4.6%増と、前期の同6.3%増や市場予想の同4.7%増を下回ったことや、外国人投資家の売り越しが5営業日連続となったこと、さらにはフランスとスペインのインフレ率が加速、米国でも強い経済指標が示され、欧米での利上げ長期化懸念が強まったことが背景。

 週後半は、これまでの急激な相場下落を受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化した。また、22年1-10月の財政赤字が通年目標の67.8%にとどまったことや、中国の2月製造業PMI(購買担当者景気指数)が好調となったことも好感された。個別銘柄では不正会計問題で株価が急落していた複合企業大手ゴータム・アダニ・グループが2日連続で上昇、投資家の信頼感を取り戻したことも寄与した。その後は、2月S&Pグローバル製造業PMIが55.3と、4カ月ぶりの低水準に落ち込んだことが嫌気され、売りが優勢となった。また、ガス価格の引き上げでインフレ懸念が強まったことや、隣国パキスタンのデフォルト(債務不履行)懸念も売り材料となった。

 週末3日は反発。米投資会社GQGパートナーズがアダニ・グループの傘下企業に約20億ドルを出資したことが好感され、買いが優勢となった。特に国営銀行を中心に銀行セクターが買われ、上げをけん引。また、外国人投資家の買い越しも寄与した。

 今週(6-10日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内の景気動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は10日の1月鉱工業生産など。7日は「ホーリー祭」の祝日で休場。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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