Ubicomが23年3月期決算を発表、想定を上回る需要見通しを受けて投資を強化

株式

2023/5/12 14:43

 Ubicomホールディングス<3937.T>は11日大引け後、2023年3月期決算を発表した。

 連結売上高は52億4600万円(前期比11.0%増)、営業利益は10億1100万円(同2.1%減)、経常利益は10億400万円(同4.8%減)だった。グローバル事業を中心に、24年3月期以降も想定を上回る需要が継続する可能性が高まったことから、成長力強化のため、先端技術人材をはじめとする人材の再教育、採用の増加、拠点拡充など、計画外の追加投資を実行した。

 また、時価が著しく下落した投資有価証券の評価損を特別損失に計上、繰延税金資産の取り崩し等の「本業外の要因」により、純利益は5億7300万円(同31.0%減)となった。

 フィリピン子会社を活用してソリューション開発を手掛けるグローバル事業は、既存のピラー(主要)顧客や、スマートファクトリーに代表されるAIoT技術の活用を含む新たな潜在ピラー顧客から旺盛な引き合いが続いており、売上高は前期比15%以上の高成長となった。半面、引き合いの急増に応えるため、人材の採用、教育、再教育の投資を強化し、利益面は前期比で減少した。今後は開発体制の更なる強化から、開発ボリュームの拡大による利益率向上を目指す。

 医療経営支援ソリューションのメディカル事業については、新商品の「Mighty Checker EX」や「MCクラウド」が寄与し、Mightyシリーズのパッケージ販売に関わるストック(医療機関導入数)は順調に拡大した。高収益サブスクモデルの確立とソリューションの重ね売りなどからセグメント利益率が向上し、営業利益率は58.9%と過去最高水準となった。また、医師の働き方改革に資する戦略的ソリューション「Mighty QUBE Hybrid」が本格ローンチし、公的医療病院グループはじめ多数の受注を獲得している。今後は新価格(平準化モデル)の適用による値上げで、顧客生涯価値の向上にも取り組む。

 保険会社向け新ソリューション「保険ナレッジプラットフォーム」については、収益化と複数の保険会社との実証実験を継続している。既にサブスク収益の計上もあり、今後さらなる積み上げを目指していく意向だ。

 24年3月期は恒常的な先端技術人材への投資とともに、第2成長フェーズ(投資回収フェーズ)に向けた投資も継続的にこなしながら、通期業績は売上高64億円(前期比22.0%増)、営業利益13億5000万円(同33.5%増)、経常利益13億6900万円(同36.4%増)、純利益9億6300万円(同67.9%増)を見込んでいる。今後も、世界情勢の動向と軌を一にした成長戦略の実行による、中期的な業績・業容拡大の進展に注目したい。

提供:ウエルスアドバイザー社

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