明日の日本株の読み筋=下値固めが継続、グロースや旅行・インバウンド株に注目

株式

2023/6/1 16:30

 あす2日の東京株式市場では、引き続き日経平均株価が下値を固める展開が予想される。1日は小幅安で寄り付いた後にプラス転換し、大引けは前日比260円高の3万1148円と反発した。日中の安値は3万853円と、きのうの日中安値(3万785円)を上回った。

 懸案の米政府の債務上限問題については、日本時間の1日午前中に債務上限を引き上げるための法案が議会の下院を通過した。今後は上院で審議され、タイムリミットとされる5日の前に可決・成立するかが焦点となる。一方、インフレと好調な雇用市場を背景に、FRBによる利上げ継続観測も根強く、米株についてリスクを取りにくい状況にある。高値圏で売り買いが交錯する日本株にとっても逆風になり得る要素だ。

 米国では現地1日に5月ADP雇用統計が発表され、5月ISM製造業景況指数も控える。いずれも好内容となれば利下げ転換への期待が後退することで米株の上値を抑制する可能性がある。また、2日には5月雇用統計が出るため、債務上限引き上げ法案の動向も相まって様子見色が強まりやすい。このことは、あす以降の東京市場での一定の売り圧力になると考えられる。ただ、日本株は下値拾いのニーズも大きいとみられ、日経平均の下落余地は限られそうだ。また、円高も日本株の潜在的な悪材料だが、財務省・金融庁・日銀による3者会合を受けた為替介入(円買い介入)への警戒は必要以上には高まっていないようだ。

 物色動向をめぐっては、復調しつつあるグロース株に加え、調整に一服感がみられる旅行・インバウンド(訪日外国人観光客)に注目したい。

提供:ウエルスアドバイザー社

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