<一撃!裏銘柄>情報セキュリティーに追い風、防災関連としても台頭―No.1

株式

2023/6/8 11:32

 中小企業を中心に情報セキュリティー機器を販売するNo.1<3562.T>が面白い。

 日本企業のサイバー攻撃被害が後を絶たないことから、情報セキュリティーへの関心は高まっている。昨年、大手自動車メーカーの部品調達先へのサイバー攻撃が自動車生産に影響を及ぼした事例をきっかけに中小企業でも導入の流れが強まり、経済産業省がビルのサイバー攻撃対応指針を公表。埼玉県警は都道府県警で初となる「サイバー局」を新設した。一部調査会社では、2021-26年の国内情報セキュリティー市場の年間平均成長率を4.6%と予想している。

 前2月期末時点のNo.1のビジネスサポート累計契約数は4200件(前年末比1083件増)に拡大し、オプションの追加により平均顧客単価も約9400円に増加した。また、2月にはDX(デジタルトランスフォーメーション)が困難な企業に対し、運用サポートをセットにした小規模事業者向けクラウド業務管理サービス「lagoona(ラグーナ)」の提供を開始した。今後の展望として、同サポートを利用している建設業に対し、3年間で500社の導入を目指す。

 新たな取り組みとして、競合企業がほぼ未着手の防災市場に参入した。アスクル<2678.T>の代理店事業の譲渡で得た経営資源を投下し、「オフィス防災事業」を開業。防災・事業継続のためのサブスク商品パッケージを提供する。さらに、企業向け防災メディア「ナンバーワンビジネスサテライト」を公開し、同事業を通じて中小企業のSDGs(持続可能な開発目標)達成を推進している。4月には企業向け緊急災害用通信機器「ハザードトーク」も投入した。

 今期の連結業績予想は、売上高が133億7300万円(前期比0.5%増)、営業利益が12億8000万円(同11.3%増)。情報セキュリティー機器をけん引役に業績拡大が期待できる中、株主還元の基本方針として配当性向30%をメドにしており、19年2月期の初配を含み6期連続で増配を予定する。2%台後半の配当利回りは買い安心感を伴う。

提供:ウエルスアドバイザー社

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