<新興国eye>前週のインド株、インド準備銀行と米FRBの利上げ停止観測に3週続伸=BRICs市況
2023/6/12 9:08
前週(5-9日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の9日終値は前日比0.35%安の6万2625.63、週間ベースでは2日終値比0.13%高と、3週続伸した。
週明け5日は指数が上昇。7日まで4営業日続伸した。8日は反落。
週前半は、前週末の米5月雇用統計が強弱交錯するまちまちの結果となったため、FRB(米連邦準備制度理事会)は14日の次回会合で利上げサイクルを一時停止するとの観測が強まったことや、インド準備銀行(中銀)も8日の次回会合で利上げを見送るとの思惑で買いが優勢となった。その後は、5月S&Pグローバル・インド非製造業PMI(購買担当者景気指数)が61.2と、前月の62.0をやや下回ったが、依然、過去13年間で2番目の高さを維持したこと、さらには政府が鉄鋼業界に対する景気刺激策を検討中との観測報道が好感され、買いが一段と強まった。
週後半は、インド準備銀行の次回会合を間近に控える中、5月のインフレ率が前年比4.2%上昇に鈍化するとの市場予想が好感され、買いが優勢となった。利上げ休止観測の高まりを受け、日用消費財関連セクターが買われたほか、大型株の複合企業大手リライアンス・インダストリーズや金融セクターも買われ、上げを主導した。その後は、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。また、F&Q(先物・オプション)取引のSQ(特別清算指数)算出で売りが優勢となった。
週末9日は続落。インド準備銀行は予想通り金利を据え置いたが、インフレ率を物価目標の4%上昇に引き下げるため、金融引き締めスタンスを維持する方針を示したことが嫌気され、売りが広がった。鉄鋼大手タタ・スチールや消費財大手ヒンドゥスタン・ユニリーバ(HUL)、IT大手のインフォシスとタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)などが下げを主導。
今週(12-16日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュース、欧米の金融不安の動向、FRBとECB(欧州中央銀行)の金融政策決定会合(それぞれ14日と15日)も注目される。主な経済指標の発表予定は12日の4月鉱工業生産と5月CPI(消費者物価指数)、14日の5月WPI(卸売物価指数)など。
<関連銘柄>
インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>
提供:ウエルスアドバイザー社
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