<新興国eye>前週の上海総合指数、景気刺激策への失望感やデフレ懸念に3週ぶり反落=BRICs市況

新興国

2023/8/14 9:09

 前週(7-11日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数が週間ベースで3週ぶりに反落。11日は3189.25(4日終値比3%安)だった。

 週明け7日は指数が下落、9日まで3日続落した。10日は小反発。

 週前半は、今後も強力な景気刺激策は期待できず、デフレ圧力が高まり、景気を下押しするとの懸念が強まり、売りが優勢となった。多くのセクター、特に不動産と医薬品などのヘルスケアが急落、下げをけん引。その後は、7月貿易統計が発表され、ドルベースで輸出が前年比14.5%減、輸入も同12.4%減と、いずれも予想以上に急減したことが嫌気され、売りが一段と強まった。また、外国人投資家が売り越しとなったことも売り材料。

 週後半は、7月CPI(消費者物価指数)が内需低迷を反映、前年比0.3%低下と、21年2月以来2年5カ月ぶりにマイナスの伸びとなったことを受け、デフレ懸念が強まり、売りが広がった。その後は、政府が海外旅行を認める国と地域の第3次リスト(日本や韓国、豪州、米国、ドイツ、英国が含まれる)を公表したことを受け、航空・観光セクターが急騰、上げを主導した。個別銘柄では国営通信大手の中国聯合網絡通信集団(チャイナ・ユニコム)が中間決算で大幅増益となり、上げをけん引。

 週末11日は急反落。上海と深センの両証券取引所が市場活性化のため、取引コストを引き下げ、流動性を向上させる対策を講じると発表したが、景気回復を強めるには不十分と見られたため、売りが優勢となった。

 今週(14-18日)の株式市場は台湾情勢やハイテク産業を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場も注目される。主な経済指標の発表予定は15日の7月鉱工業生産と7月小売売上高、1-7月都市部固定資産投資、7月失業率、16日の7月住宅価格指数など。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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