(再送)<一撃!裏銘柄>低位株人気で狙う次の有力株――TACはリスキリングやインボイス制度が材料に

株式

2023/9/28 11:31

 前週の当欄で取り上げた日本精蝋<5010.T>は、20日終値の116円を起点に2019年以来となる250円まで噴き上げる急騰劇を演じた。このところの低位株人気にフィットした格好だ。そこで、次の有力株として「資格の学校」でおなじみのTAC<4319.T>に照準を定めたい。

―DX関連の法人研修堅調―

 簿記や公認会計士などの資格取得を支援するTACは、今3月期第1四半期(4~6月)の連結営業利益が1億2300万円(前年同期比77.6%減)にとどまった。売上高が伸び悩む中で、人件費や広告費もかさんだ。民間企業の採用意欲が高い状況にあり、個人教育事業で資格取得へ向けた学生の受講が低調なことが背景にある。

 しかし、一方で法人向けの研修事業は堅調だ。DX(デジタルトランスフォーメーション)の促進に伴い、情報分野の需要が旺盛なほか、金融や不動産、電気設備関係の研修も人気がある。政府はリスキリング(学び直し)を国策に押し上げ、企業の税額控除の対象にしている。こうした流れは同社にとって追い風だ。

 さらに、同社は試験制度の変化や法令改正への対応に定評があるため、10月からのインボイス制度(適格請求書等保存方式)に必要な知識を求める受講者の増加も見込まれる。監査法人や一般企業での会計系人材の採用ニーズが高いため、資格取得と併せて人材事業の伸長も視野に入る。

―業績出遅れ否めぬも、相場は底入れ示唆―

 通期の営業利益の計画(3億8000万、前期比19.1%増)に対しては、業績の季節性を踏まえると出遅れてしまった感が否めない。しかし、4~6月決算後に株価がすぐに持ち直し、その後は無風の動きが続いていることから、既に底値圏に達していると判断できる。長期的なリスキリング市場の拡大に加え、個人の受講者数も、新型コロナウイルスが感染症法上の5類に移行したことで回復が期待できるため、そろそろ相場が先行して動き始めるかもしれない。

 日足のパラボリックは緩やかな上昇トレンドを描く。52週移動平均線や週足・一目均衡表の先行スパン「雲」下限など、主だった上値抵抗線近辺で推移しており、これらを明確に上抜いてくれば潮目の変化が鮮明になる。また、PBR(株価純資産倍率)約0.6倍、配当利回り約3%と、バリュエーションの面でもボトムを示唆している。

提供:ウエルスアドバイザー社

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