<新興国eye>前週のブラジル株、米金利据え置きと国内追加利下げを受け続伸=BRICs市況

新興国

2023/11/6 8:57

 前週(10月30日-11月3日)のブラジル株式市場は3日のボベスパ指数が前日比2.7%高の11万8159.97、週間ベースでは10月27日終値比4.29%高と、続伸した。

 週明け30日は指数が下落、翌31日は反発した。11月相場入りした1日も続伸。2日は「諸聖人の日(死者の日)」の祝日で休場となった。

 週前半は、イスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突に加え、イラン参戦の可能性が強まり、中東紛争懸念で売りが優勢となった。また、国内では政府の財政再建に対する懸念も売り材料となった。前週末、ルラ大統領は演説で、財政健全化について、「24年に財政赤字ゼロという目標を達成するのは難しい」と発言している。その後は、四半期ごとに実施される全国世帯サンプル調査(PNAD)で9月の失業率が7.7%に低下、雇用者数も過去最高となったことが好感され、買いが優勢となった。また、ユーロ圏の10月インフレ率が前年比2.9%上昇(9月は同4.3%上昇)と、2年ぶりの低水準となり、利上げサイクル終了の公算が強まったことも支援材料となった。

 週後半は、FRB(米連邦準備制度理事会)が予想通り政策金利を2会合連続で据え置いたことが好感され、買いが一段と強まった。ただ、今後の金融政策については、(予断を持たず)オープンとしたことや、ブラジル中銀の金融政策決定会合の結果待ちとなったため、上値は重くなった。

 週末3日は3日続伸。休み明け後、取引が再開され、米10月雇用統計が弱い結果を示したことを受け、次回12月会合での追加利上げ懸念が後退、また、ブラジル中銀が3会合連続で利下げを決めたことが好感され、買いが優勢となった。

 今週(6-10日)の株式市場は、中東紛争やウクライナ情勢、西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策なども注目される。主な経済指標の発表予定は6日の10月S&Pグルーバル・ブラジル非製造業PMI(購買担当者景気指数)と9月経常収支、7日の9月財政収支、8日の9月小売売上高、10日の10月IPCA(拡大消費者物価指数)など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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