<新興国eye>前週のインド株、欧米の利上げ終了観測や海外株高などを受け続伸=BRICs市況

新興国

2023/11/13 8:57

 前週(6-10日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の10日終値は前日比0.11%高の6万4904.68、週間ベースでは3日終値比0.84%高と、続伸した。

 週明け6日は指数が上昇。翌7日は4営業日ぶりに小反落した。8日は小反発、9日は反落と、一進一退となったが、高値水準を維持。

 週前半は、米10月雇用統計が弱い内容となったことを受け、欧米の利上げサイクル終了観測が強まり、アジア市場が堅調となったことを好感、買いが優勢となった。自動車大手タタ・モーターズや金融大手バジャジ・フィンサーブなどが上昇、上げをけん引。その後は、中国の貿易統計の悪化を受け、アジア市場が下落、インド市場でも売りが強まった。7-9期決算で減益となったゾブハなど不動産株が売られ、下げを主導。ただ、サンファーマなどの医薬品セクターやアクシス銀行などの金融株が買われたため、下値は限られた。

 週後半は、欧州株高となり、インド市場でも買いがが強まった。原油価格が下落したことが好感され、世界最大の製油所を運用するリライアンス・インダストリーズや同業大手バーラト・ペトロリアムが相場を下支えした。他方、米10年国債利回りの急伸を受け、外国人投資家が金融株を積極的に売ったため、上値は限られた。その後は、F&O(先物・オプション)取引のSQ(特別清算指数)算出を受け、売りが強まった。また、外国人投資家の売り越しも相場を下押しした。複合企業大手ゴータム・アダニ・グループ傘下のアダニ・エンタープライズや消費財大手ヒンドゥスタン・ユニリーバ(HUL)、ソフトウエア輸出大手インフォシスなどが利食い売りで下落、下げをけん引。

 週末10日は反発。FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長のタカ派発言を受け、売りが強まったが、引けにかけて値を戻し、プラス圏で引けた。外部からの資金注入や機関投資家による買いで携帯電話大手ボーダフォン・アイデアが急騰したほか、複合企業大手リライアンス・インダストリーズや金融大手HDFC銀行など主要銘柄も買われ、相場を下支えした。

 今週(13-17日)のインド市場は中東紛争やウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は13日の10月CPI(消費者物価指数)や14日の10月WPI(卸売物価指数)など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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