<年末年始特集>「インド株」投資への道、新NISAも活用

株式

2023/12/29 17:03

 インド株の値動きが頑強だ。経済成長著しい有望新興国の新たな主役として、インドには世界中の投資家から熱い視線が集中。新年より始まる新NISA(少額投資非課税制度)の活用もにらみ、インド株への投資機会を探る。

 インドを代表する株式指数のSENSEX指数、Nifty50指数はともに史上最高値圏を推移。中長期で見ても他の主要株価指数と比較して良好なパフォーマンスを示している。インド経済の力強い成長に対する期待が株高の背景にある。インドの人口は14億人を超え、2023年中に中国を抜いて世界一位に浮上した見込み(国連推計)。豊富な労働力と巨大な消費市場が経済成長の原動力となる。また、モディ政権は国内製造業の振興やインフラ整備の推進、積極的な規制緩和や優遇策による海外からの投資や外資企業の誘致に注力。グローバル企業が海外拠点を中国に一極集中させず、他の国や地域に分散させる「チャイナ・プラスワン」の動きもインド経済の追い風になりそうだ。

 IMF(国際通貨基金)はインドの実質GDP(国内総生産)成長率を2024年は6.3%(全世界2.9%、米国1.5%、日本1.0%、中国4.2%)と予測。また、名目GDPは現在世界第5位だが、2026年に日本を、2027年にはドイツを抜き、世界第3位に躍り出ると予想している。

 こうしたインドの高成長の恩恵を投資によって取り込みたい。2024年1月に新しいNISA制度がスタートし、インド株にも投資しやすい環境が整う。

 インド株を投資対象とする金融商品では、相対的にコストが低い指数連動型のインデックスファンドの拡充が続き、最初の有力な選択肢となるだろう。2023年3月に国内初のインド株インデックスファンド「iFreeNEXT インド株インデックス」(大和)が設定されたことを皮切りに、8月に「auAM Nifty50インド株ファンド」(au)、9月に「SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド」(SBIアセット)が設定され、12月にも「SMTAMインド株式インデックス・オープン」(三井住友TAM)が設定されたばかり。いずれも新NISAの「成長投資枠」で投資することが可能だ。

 一方、コスト面では分が悪いが、インド株に通じた専門家が運用するアクティブファンドは、独自の運用戦略により高いリターンを獲得できる可能性がある。市場全体の動きを捉えるインデックスファンドとは異なり、インドのインフラ関連や消費関連に特化したものや、中型株に集中投資するものなど多様なファンドがそろう。なお、アクティブファンドの「iTrustインド株式」(ピクテ)は、インド株ファンドで唯一、新NISAの「つみたて投資枠」の対象ファンドに選ばれている(金融庁の2023年12月21日開示分まで。同ファンドは「成長投資枠」でも投資可能)。新NISAの「つみたて投資枠」は「成長投資枠」と併用できる。ポートフォリオを構築する上で留意しておきたい。

 機動的な投資が可能で相対的にコストが低い傾向があるETF(上場投資信託)も「成長投資枠」の対象だ。インド株の国内ETFでは「NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty 50連動型上場投信」(1678、野村)が東証に上場している。

 また、海外ETFも、例えばSBI証券では米国市場上場の「ウィズダムツリー インド株収益ファンド」(EPI)、「ヴァンエック インディア グロース ETF」(GLIN)、香港市場上場の「iシェアーズ・コア S&P BSE SENSEX インディアETF」(02836)、シンガポール市場上場の「iシェアーズ MSCI インディア インデックスETF」(INDI-D)が「成長投資枠」の対象(2023年12月25日時点)。なお、同証券は新NISAでの取引であれば、海外ETFも国内株、投資信託、米国株と同様に売買手数料が無料になる。

提供:ウエルスアドバイザー社

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