<新興国eye>トルコ1月経済信頼感指数、サービス・建設が改善、小売りは悪化―設備稼働率は低下

新興国

2024/1/26 8:41

 トルコ統計局が25日発表したサービス業と小売業、建設業の経済状況を示す1月セクター別経済信頼感指数(季節調整後)はサービス業の全体指数が前月比4.0%上昇の116.8と、前月(12月)の同1.2%上昇から2カ月連続で上昇(改善)、23年7月(117.3)以来、6カ月ぶりの高水準となった。

 サービス業のサブ指数は、過去3カ月間の景況感(遅行指数)が前月比6.2%上昇(前月は横ばい)の116.8となり、5カ月ぶりに上昇。過去3カ月間の需要(遅行指数)は同2.9%上昇(同3.8%上昇)の115.3と、2カ月連続で改善した。今後3カ月間の需要見通し(先行指数)は同3.0%上昇(同0.1%低下)の118.1と、改善に転じた。

 対照的に、小売業は前月比1.0%低下(前月は4.5%上昇)の115.6と、再び悪化、23年11月(111.7)以来の低水準となった。サブ指数のうち、過去3カ月間の販売活動は同4.9%上昇(同9.9%上昇)の134.1と、2カ月連続で改善したが、今後3カ月間の販売見通しが同5.6%低下(同3.7%上昇)の127.9と、悪化した。商品在庫は同2.6%低下(同0.9%低下)の92.1と、在庫過剰感が一段と高まった。在庫指数の「上昇」は在庫減、反対に指数の「低下」は在庫増を示す。

 建設業は前月比3.3%上昇(前月は3.3%低下)の90.9と、改善、23年11月(91.0)以来の高水準となった。サブ指数の受注残は同6.6%上昇(同5.4%低下)の84.2と、大幅に改善。今後3カ月間の雇用見通しも同0.6%上昇(同1.5%低下)の97.6と、改善した。

 経済信頼感指数はゼロから200までの間で算出され、判断の分かれ目は100。100を超えると「楽観的な見通し」、100を下回ると「悲観的な見通し」を示す。21年1月統計から指数の算定基準(調査対象など)が変更された。

 また、トルコ中銀が同日発表した1月の製造業設備稼働率(季節調整前)は76.2%と、前月(12月)の77.5%から1.3ポイント低下した。ただ、依然、コロナ禍前の20年1月の75.5%を上回っている。コロナ禍が最も厳しかった同4月は61.6%と、09年4月の61.2%以来11年ぶりの低水準に落ち込んでいた。

 設備稼働率のうち、最も高かったのは中間財の75.8%(前月は76.5%)だったが、前月を大幅に下回った。次いで、投資財の75.7%(同77.4%)、非耐久財の73.4%(同74.4%)、消費財の73.1%(同74.0%)、耐久財の72.0%(同72.3%)で、いずれも前月を下回った。

 他方、季節調整後(SA)の製造業設備稼働率は1月が76.4%と、前月(77.3%)を下回った。

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 上場MSエマ<1681.T>

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