<一撃!裏銘柄>新たな提携機に株価は反発色強める――ティムス
2024/2/22 11:39
東京農工大発創薬ベンチャーのティムス<4891.T>をマークする。
黒カビ由来の化合物を用いたパイプライン(新薬候補)を持つ同社。最大の材料が、次世代の急性期脳梗塞(こうそく)治療薬候補の「TMS-007」だ。脳梗塞治療の現在の主流で、詰まった血栓を溶かす「t-PA療法」は、発症後4.5時間が投与できるリミット。一方で、TMS-007は投与可能時間が12時間以内にまで延ばせる可能性があることが臨床試験で示されており、将来的に同疾患の第1選択薬となるポテンシャルを秘める。
t-PAの独壇場である脳梗塞治療の市場は大きく、風穴を開けることができればティムスの企業価値は一気に拡大するだろう。しかし、そうした期待に反し、昨年4月にはTMS-007の導出先だった米バイオジェンが臨床試験の開始を停止。これを受け、既に下落トレンドに入っていたティムスの株価はダメ押し的に急落した。
しかし、その後再び事態が動いた。今年1月、上海を拠点とするバイオ医薬品会社のJIXINGと戦略的提携を発表。これにより、TMS-007についてのオプション権がバイオジェンからJIXINGに移った。
新たな契約では、ティムスが日本でのTMS-007の開発販売権を取得。開発マイルストーンは最大1250万ドル(バイオジェンとの契約は1億6500万ドル)と小さくなるものの、販売マイルストーンは最大3億5500万ドル(同1億7000万ドル)と大きい。さらに、JIXINGの設立を支援したバイオ向け投資会社の米RTWがティムスに出資し、その成長戦略を支えていく。
株価は2022年11月の東証グロース市場へのIPO(新規上場)翌月に付けた高値の1188円を起点に一時は200円を割り込む水準まで売り込まれた。昨年にかけての底練り商状から、今年に入りJIXINGとの提携をきっかけに反発色を強めてきた。本格的な相場修復の土台が築かれたとみる。
提供:ウエルスアドバイザー社
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