ケイファーマの福島弘明社長 通期決算説明会で語る今後の成長戦略

株式

2024/2/28 9:20

 ケイファーマ<4896.T>が2月21日、23年12月期の決算説明会動画を公開し、代表取締役社長の福島弘明氏が戦略を語った。

 福島社長はまず、かつて不可能とされた中枢神経の再生医療が現実的になって来ているという事実に言及。同社創業者であり取締役CSO(最高戦略責任者)である岡野栄之氏がヒト脳内の神経幹細胞(増殖・継代を繰り返すことができる自己複製機能と、中枢神経系を構成する細胞を作り出すことができる多分化機能を有する未分化な細胞)の存在を示したためだ。同社は疾患特異的iPS細胞を活用した創薬(iPS創薬)と、iPS細胞を活用した再生医療を主な事業としている。

 23年12月期は売上高10億円(前期はなし)、営業損益は3億6600万円の黒字(前期は3億5300万円の赤字)。アルフレッサファーマからの契約一時金等で設立以来、初の黒字で着地した。iPS創薬ではALS(KP2011)の日本国内の権利をアルフレッサファーマに導出し、第3相治験準備開始、FTD(KP2021)、およびHD (KP2032)化合物スクリーニングを完了し、第1/2相治験準備開始、難聴(KP2061)について北里大学との共同研究を開始。

 再生医療では、亜急性期脊髄(せきずい)損傷に対する慶應大学での臨床研究が継続実施中で、亜急性期脊髄損傷(KP8011)の商業化に向けた企業治験の準備を実施、慢性期脊髄損傷(KP8021)の研究開発において、細胞に遺伝子導入を行う開発を推進、慢性期脳こうそく(KP8031)など、大阪医療センターとの共同研究を開始した。

 続く24年12月期の業績予想は、売上高なし、営業損益10億4300万円の赤字。売上高は海外ALS(筋萎縮性側索硬化症)や、FTD(前頭側頭認知症)、脊髄損傷等の各開発パイプラインにつき、国内外の製薬会社などとの提携を目指した事業開発を推進しているものの、保守的に売上高はなしと開示。販売管理費は、主に創薬事業におけるFTDやハンチントン病の企業治験、再生医療事業の亜急性期脊髄損傷の治験準備に係る研究開発費の増加、人員の新規採用等により、増加を予定している。

提供:ウエルスアドバイザー社

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