<新興国eye>前週のインド株、10-12月期GDPやリライアンス急騰受け3週続伸=BRICs市況

新興国

2024/3/4 9:04

 前週(2月26日-3月2日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の2日終値は前日比0.08%高の7万3806.13、週間ベースでは2月23日終値比0.91%高と、3週続伸した。

 週明け26日は指数が下落、翌27日は反発した。28日は急反落、29日は反発した。

 週前半は、欧米のインフレ指標の発表を控え、様子見気分が強まる中、利食い売りが広がった。特にIT株と金属株、金融株が下げを主導。ただ、複合企業大手ゴータム・アダニ・グループの傘下企業が海外投資家から成長期待で買われたことや、格安航空大手スパイスジェットが大口債権者の航空機リース大手セレスティアル・アビエーションによる破産申し立ての取り下げが好感されたため、下げは限定的だった。

 その後は、自動車大手タタ・モーターズが急騰したことに加え、インド国鉄傘下の通信大手レールテルも上げをけん引した。モディ首相が近代化計画の一環として、今後5年間、鉄道インフラ整備プロジェクトに4100億ルピーの投資を行うと発表したことが背景。

 週後半は、複合企業大手リライアンス・インダストリーズやICICI銀行など指数の構成ウェートが高い銘柄に利食い売りが広がった。また、食品・日用品大手パタンジャリ・フーズが下げをけん引。最高裁判所が同社の製品で病気が治るという虚偽、かつ、誤解を招く広告を過去の警告にもかかわらず続けたと批判したことが背景。その後は、リライアンスが反発、買いが優勢となった。米娯楽・エンターテインメント大手ウォルトディズニーのインド国内での映画・スポーツ動画配信サービスの新会社に約14億ドルを共同出資することで合意したことが背景。

 週末1日は続伸。インドの23年10-12月期GDPが前年比8.4%増と、市場予想(6.5%増)を大幅に上回ったことや、FRB(米連邦準備制度理事会)が最も重視する1月PCE(個人消費支出)物価指数が前年比2.4%上昇と、約3年ぶりの低い伸びとなり、市場予想と一致したことが好感された。

 特別取引が行われた2日も3日続伸した。前日の国内GDP伸び率が好調となったことが好感され、指数は一時、ザラバで7万3995ポイントに達し、過去最高値を更新。鉄鋼大手タタ・スチールや自動車大手タタ・モーターズ、鉄鋼大手JSWスチール、IT大手ウィプロが急騰、上げを主導した。特別取引はボンベイ証券取引所(BSE)の緊急災害時の安全な取引を確認するために開催されたもの。

 今週(4-7日)のインド市場は中東紛争やウクライナ戦争、中東・紅海でのイエメン武装勢フーシ派による船舶攻撃、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は5日の2月日経インド非製造業PMI(購買担当者景気指数)など。8日は「マハー・シヴァラートリ」の祝日のため、休場。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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