日経平均、下げ幅1000円超に―半導体軟化と円高重し
2024/3/11 13:46
日経平均株価は11日後場、前週末比の下げ幅が1000円を超えた。8日の米国市場で半導体関連株が軟化したことや、円高が進んだことを受け、年初来で大きく上昇している日本株から資金が離れた。
<エヌビディア急落にYCC撤廃観測>
この日は朝方から売りが優勢となった。米市場でエヌビディアが高値更新後に急落するなど、世界的な株高をリードしてきた半導体セクターが変調をきたした格好だ。
また、8日に出た米2月雇用統計では失業率が悪化し、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げが意識された。日本では日銀のマイナス金利政策解除に加え、YCC(=イールドカーブコントロール、長短金利操作)撤廃の観測が浮上。これにより、日米金利差の縮小を先取りするように円高が進んだことも、日本株の売り材料となっている。
日経平均は午後1時10分に前日比1095円安の3万8593円まで下げ、2月下旬以来の安値を付けた。半導体や輸出セクターにとどまらず、鉱業や銀行、証券などにも売りが広がっている。
<「健全調整」の見方も、日銀会合焦点>
一方、三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは、「米ハイテク株の下落は、あくまで上昇一服という面が強い。また、為替についても日米の金融当局が追加的な利上げ・利下げに移行するとは考えにくく、円高の余地も限られる」とし、「日本株は健全な調整という印象だ」と話していた。
来週は日銀の金融政策決定会合が18、19日に控えている。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、「従来4月とみられていたマイナス金利解除が同会合で前倒しで実施されるとみる向きが多く、短期的に不安定な局面が続きそうだ」と指摘。もっとも、「会合後の会見で植田総裁がさらなる引き締めの姿勢を示さなければ、相場は落ち着くだろう」という。
窪田氏は、日経平均の下値メドを3万8000円とみている。
提供:ウエルスアドバイザー社
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