RIZAPが立会外分売発表から乱高下、需給悪化と東証プライム上場視野で揺れる

株式

2024/3/13 16:00

 札幌証券取引所のアンビシャス市場に上場するRIZAPグループ<2928.SP> が乱高下している。同社は7日、15-19日のいずれかの日に立会外分売を実施すると発表、立会外分売予定の株数は2775万5200株で発行済株式総数の5%にあたる。需給悪化懸念から8日は売り注文が殺到しストップ安の水準まで売られた。11日は日経平均株価が1000円以上急落するなど悪地合いもあり、続落。その後12日は一転して前日比11.5%高と急騰。東京証券取引所のプライム市場への上場の思惑やコンビニジム「chocoZAP(チョコザップ)」事業の成長期待が根強いようだ。

 このタイミングで立会外分売を実施する目的は、東証プライム上場へ向けた施策の一環。普通株式の市場流通株式数の増加とともに、流動性の向上を目指すほか、瀬戸健社長は立会外分売で普通株式を売却した資金を元に、23年8月14日に開示した第2回募集新株予約権の行使を予定。同新株予約権の行使条件は、割当日から1年が経過するまでの四半期の連結営業利益が一度でも黒字化することで、同社は24年3月期第3四半期(23年10-12月)において黒字化を達成。この募集新株予約権の行使により、同社の資本は最大106億円以上増加し、大幅な財務基盤の強化が実現する。

 同社は調達する資金を財務基盤強化のほか、chocoZAP事業への成長投資にも充当する方針を示す。同事業の会員基盤は引き続き堅調に推移し、店舗数は1333店舗、会員数は112万4000人(いずれも2月14日時点)まで拡大した。24年1月以降は出店を抑え、故障したマシンの早急な修理などの品質向上や、顧客満足度向上に注力しているが、25年3月期には規模拡大へ一気にアクセルを踏み込む構えだ。

 さらに、プライムへの上場申請に必要な施策の一環として、関連当事者取引の解消を目的に、23年8月14日と24年1月29日に実施した、瀬戸健社長の資産管理会社CBMからの資本性劣後ローンの返済も検討していく。

 足元で不安定な株価に対し、業績は回復傾向にある。第3四半期の連結営業損益は10.2億円の黒字(前年同期は10.7億円の赤字、前四半期は29.3億円の赤字)に浮上した。四半期の営業黒字化は、chocoZAPの展開を開始し、本格投資を始めた23年3月期第2四半期(22年7-9月)以来だ。また、chocoZAP事業は23年11月から単月黒字化が継続している。

 24年3月期第3四半期決算発表と同時に通期の連結営業損益予想を従来計画比27億円増の18億円の赤字(前期は45億円の赤字)に引き上げた。純利益は同21億円増の69億円の赤字(同127億円の赤字)としている。

提供:ウエルスアドバイザー社

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