<新興国eye>トルコ1月失業率、9.1%に上昇―予想上回る

新興国

2024/3/15 8:40

 トルコ統計局が13日発表した1月の失業率(季節調整後、15歳以上)は9.1%と、前月(12月)の8.9%を上回り、市場予想(8.5%)も大幅に上回った。23年8月(9.2%)以来、5カ月ぶりの高水準。23年10月に10年ぶりの低水準の8.6%を記録したが、それ以降、再上昇し始めている。ただ、1年前の9.7%やコロナ禍前の20年1月の13%を大きく下回っており、失業率は21年4月の13.5%をピークに低下傾向にある。

 15-24歳の若年層の失業率も16.6%と、前月の15.5%を上回り、23年11月(16.8%)以来、3カ月ぶりの高水準となった。ただ、1年前の18.8%を大きく下回っている。

 他方、労働供給の余地(活用できていない労働力)を示す、いわゆる未活用労働者比率(labour underutilization rate)は26.5%と、前月の24.8%から3カ月連続で上昇、依然、21年5月(27.2%)以来、2年8カ月ぶりの高水準。雇用市場のたるみ(労働力の供給過剰)感が高まった。ただ、コロナ禍により外出制限など規制が強かった21年1月の29.3%をピークに低下傾向にある。

 未活用労働者はさらに長時間の就労を希望している就業者と求職活動をしている失業者、求職活動はしていないが就業を希望している潜在労働力人口を合計したもので、労働供給の「伸びしろ」を示す。

 失業者数(15歳以上)は前月比8万5000人増の321万4000人と、増加に転じた。また、前年同月比では18万2000人減と、1年前の水準を下回っている。

 雇用者数は前月比16万人増の3222万2000人と、2カ月連続で増加。05年以降で最大となった。前年比51万2000人増。雇用率は49%と、前月の48.8%を上回った。前年同月の48.7%を上回り、これも05年以降で最大。

 また、労働市場参加率は53.9%と、前月の53.6%から2カ月連続で上昇したことは明るい材料。1年前の53.9%の直近ピークと一致した。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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