<新興国eye>前週のロシア株、中銀の金融引き締め懸念や海外株安、原油安を受け続落=BRICs市況

新興国

2024/6/3 9:05

 前週(5月27-31日)のロシア株式市場で、RTS指数(ドル建て)の31日終値は前日比2.19%安の1125.68、前週比では24日終値比5.9%安と、続落した。

 週明け27日は指数が下落、翌28日は小反発した。29日は反落、30日も続落した。

 週前半は、ロシア中銀の金融引き締め懸念を受け、主要株を中心に利食い売りが広がった。中銀は最新リポートで、「インフレとインフレ期待が再び低下しなければ追加利上げが必要になる」と警告した。個別銘柄では鉄鋼最大手ノボリペツク冶金工場が減配を決めたことから急落、下げをけん引。その後は、これまでの相場下落や海外株高となったことを受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化した。鉄鋼・石炭大手メチェルや国営ダイヤモンド生産最大手アルロサが買われ、上げを主導。

 週後半は、ブレント原油先物が1バレル当たり83.5ドルに後退したことや、海外株安、さらには通貨ルーブル安となり、売りが優勢となった。その後は、米週間石油統計の結果を受け、原油価格が82.4ドルに続落したことや、海外株安、さらには中銀の金融引き締め懸念も加わり、売りが一段と強まった。市場は24年の政策金利見通しを4月予想時点の14.9%から15.9%に引き上げた。

 週末31日は3日続落。海外市場がまちまちとなる中、ルーブル安となったことや、原油価格が81.2ドルを割り込み、売りが優勢となった。

 今週(3-7日)のロシア市場は引き続き、中東紛争やロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える4日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や5日の米EIA週間石油在庫統計、さらにはOPEC(石油輸出国機構)プラス会合やロシア中銀の金融政策決定(7日)、サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(5-8日)も注目される。

 主な経済発表の予定は3日のロシア5月製造業PMI(購買担当者景気指数)や5日の4月失業率、ロシア5月非製造業PMIなど。指数は1100-1200のレンジの動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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