<新興国eye>トルコ4月失業率、予想通り8.5%に低下―11年5カ月ぶり低水準

新興国

2024/6/14 8:42

 トルコ統計局が10日発表した4月の失業率(季節調整後、15歳以上)は8.5%と、前月(3月)の8.6%を下回り、市場予想とも一致した。12年11月(8.4%)以来11年5カ月ぶりの低水準。1年前の10.0%やコロナ禍前の20年1月の13.0%を大きく下回っており、失業率は21年4月の13.5%をピークに低下傾向にある。

 15-24歳の若年層の失業率も14.5%と、前月の14.6%(改定前15.1%)を下回り、05年以降で過去最低水準となった。1年前の18.6%を大きく下回っている。

 他方、労働供給の余地(活用できていない労働力)を示す、いわゆる未活用労働者比率(labour underutilization rate)は季節調整後で27.2%と、前月の24.1%から3カ月ぶりに上昇、21年2月(28.0%)以来3年2カ月ぶりの高水準となった。雇用市場のたるみ(労働力の供給過剰)感が強まった。コロナ禍により外出制限など規制が強かった21年1月の29.3%をピークに接近している。

 未活用労働者はさらに長時間の就労を希望している就業者と求職活動をしている失業者、求職活動はしていないが就業を希望している潜在労働力人口を合計したもので、労働供給の「伸びしろ」を示す。

 失業者数(15歳以上)は前月比1万8000人減の304万2000人と、3カ月連続で減少。また、前年同月比では48万4000人減と、1年前の水準を大幅に下回った。

 雇用者数は前月比1000人減の3261万8000人と、5カ月ぶりに減少した。前月(3月)は05年以降で最大となっていた。前年比は98万3000人増と、依然急増している。雇用率は49.5%と、前月(49.6%)をやや下回り、5カ月ぶりに低下したが、前年同月の48.4%を上回り、05年以降で最大となった前月に近い高水準となっている。

 また、労働市場参加率は54.2%と、4カ月連続で上昇した前月と変わらなかった。前年同月の53.8%を上回り、これも05年以降で最大となっている。

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 上場MSエマ<1681.T>

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