<新興国eye>前週のインド株、モディ政権3期目入りや米9月利下げ観測を受け続伸=BRICs市況

新興国

2024/6/17 9:02

 前週(10-14日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の14日終値は前日比0.24%高の7万6992.77、週間ベースでは7日終値比0.39%高と、続伸した。

 週明け10日は指数が下落、翌11日も続落した。12日は反発、13日も続伸した。

 週前半は、下院総選挙に勝利したナレンドラ・モディ首相が3期目の宣誓就任式を行い、政治が安定する見通しとなったことが好感され、一時、指数は史上最高値を更新したが、次第に利益確定売りが強まった。また、米5月雇用統計の強い結果を受け、早期の米利下げ観測が後退したことも重石とり、ITやHDFC銀行、マルチ・スズキ、バジャジ・ファイナンスなど大型株を中心に売りが強まった。

 その後は、米5月CPI(消費者物価指数)とFRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公開市場委員会)会合を間近に控え、慎重な取引となる中、売りが一段と広がった。ただ、個別銘柄でソフト・IT大手パーシスタントがアルファベット傘下のインターネット検索大手グーグルとクラウドサービス分野で戦略提携パートナシップ契約を締結したことが好感され、急騰した。

 週後半は、米5月CPIとFOMC会合の結果待ちとなり、神経質な取引が行われる中、投資家向け会合で好調な業績見通しを示した自動車大手タタ・モーターズを始め、国営石炭最大手コール・インディアや生保最大手SBIライフ、営送電大手パワー・グリッド、ITサービス大手テック・マヒンドラ、バーラト・ペトロリアム(BPCL)などが上げをけん引した。

 その後は、米5月CPIの伸びが鈍化、市場予想を下回ったことからFRBの9月利下げ観測が強まり、買いが優勢となった。指数は一時、史上最高値を更新。個別銘柄ではエンジニアリング大手ラーセン・アンド・トゥブロが国営石油ガス公社(ONGC)からインド西部沖合のダマンアップサイド天然ガス開発プロジェクトの受注に成功したことが好感され、急騰、上げを主導した。

 週末14日は3日続伸。自動車と不動産も堅調となったほか、複合企業大手ゴータム・アダニ・グループが支援するセメント大手アムブジャ・セメントが同業ペンナ・セメント・インダストリーズの買収で合意したことが好感され、急騰、上げを主導した。ただ、フランス財務相が6月末の総選挙で極右政党が勝利すれば財政危機に陥るとの懸念を表明したことや、FRBが今年の利下げ回数を従来予想の3回から1回に縮小する見通しを示したことが重石となり、上値は抑えられた。

 今週(18-21日)のインド市場は中東紛争やウクライナ戦争、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定はない。17日はイスラム教「イード・アル=アドハー」の祝日のため、休場。

<関連銘柄>

インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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