医薬品株にパッシブFの売りも―武田薬の大型買収で思惑

ニュース

2018/10/25 17:30

イメージ

 武田薬品工業(4502)によるアイルランドの製薬大手シャイアー買収に絡み、医薬品株にパッシブ運用ファンドによる売り圧力が強まりそうだ。

 武田薬のシャイアーの買収を日本の公正取引委員会がこのほど承認した。欧州で認可されればほぼ確定する。買収金額は7兆円程度とみられるが、このうち約3兆円を借り入れ、残りの4兆円弱は新株発行で賄う。

 ここで気になるのが、武田薬の時価総額だ。25日時点では3.4兆円程度だが、現在の株価で単純計算すると、新株発行後は一気に7兆円超に拡大することになる。インデックス運用のパッシブファンドは時価総額の比重に合わせて保有銘柄をリバランスする必要があるため、武田薬株を買い、他の医薬品株や大型株を売る動きに出る可能性がある。こうした見方が、武田薬以外の医薬品株の利益確定売りを早めているようだ。

 そこで、過去1年間の上昇率が大きく、時価総額が1兆円以上の銘柄をピックアップすると、第一三共(4568)は過去1年に株価が約75%上昇し、時価総額は3.1兆円に膨らんでいる。そのほか、エーザイ(4523)や大正製薬ホールディングス(4581)も過去1年に株価が3割超上昇しており、買収劇の進展とともに警戒が必要だ。

(イメージ写真提供:123RF)

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ