米7月小売売上高、前月比0.7%増―5カ月連続増加で市場予想を大きく上回る
2019/8/16 10:06
<チェックポイント>
●オンライン小売やレストラン、アパレルが全体を押し上げ
●自動車とガソリン除いた実質は前月比0.9%増―6月は同0.6%増
●統計発表後10年債利回り上昇―逆イールド解消でリセッション懸念後退
米商務省が15日発表した7月小売売上高(季節・営業日調整後)は速報値ベースで前月比0.7%増の5235億ドルと6月の同0.3%増(改定前は同0.4%増)を上回り、5カ月連続の増加となり、市場予想の同0.3%増に対しても上回った。この結果となり、前日(14日)、米証券市場で株価暴落を招いた逆イールド(長短金利の逆転現象)によるリセッション(景気後退)懸念が和らいだ。
前年比は3.4%増と6月の同3.3%増(改定前は同3.4%増)を上回った。この3カ月間(5-7月期)の売上高は前年比3.3%増、また、前3カ月(2-4月期)比では1.8%増と、依然堅調となっており、FRB(米連邦準備制度理事会)に対する利下げ圧力は和らいだ。
7月の内訳をみると、全13業種のうち、10業種で増加し、3業種で減少した。増加幅が大きかったのは、米オンライン小売大手アマゾン<AMZN>の「プライム・デー」効果によるオンライン小売の前年比2.8%増(6月は1.9%増)や百貨店の同1.2%増(同1.1%減)、飲食・レストランの同1.1%増(同0.7%増)、家電の同0.9%増(同0.7%減)、アパレルの同0.8%増(同0.1%減)など。反対に、前月好調だった自動車・同部品は同0.6%減(同0.3%増)、ヘルス・パーソナルケアも同0.2%減(同0.6%増)、スポーツ用品・趣味・楽曲・書籍も同1.1%減(同0.6%増)と減少に転じた。
一方、ガソリンスタンドは同1.8%増と、前月の同2.3%減から伸びが加速した。
全体の小売売上高から月ごとに変動が激しいガソリンスタンド自動車・同部品を除いた実質の小売売上高は同0.9%増(6月は同0.6%増)と、伸びが加速し、全体の伸びを上回った。ガソリンスタンドと自動車・同部品に加え、建築資材や飲食レストランを除いた、いわゆる“コア小売売上高”(コントロール・グループ)は同1%増と、6月の同0.7%増を上回り、市場予想も上回った。これは7-9月期GDP(国内総生産)の約7割を占める個人消費の伸びが強まることを意味する。
<関連銘柄>
NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、
SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、
NYダウベア<2041.T>
提供:モーニングスター社
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