米8月新築住宅販売件数、前月比7.1%増の71.3万戸―市場予想上回る

経済

2019/9/26 11:20

<チェックポイント>

●前月比大幅増は住宅ローン金利の急低下が要因

●主力の南部と西部が増加し全体を押し上げ

●40万ドル超の高額物件の販売比率が上昇―手ごろ物件の供給不足などで

 米商務省が25日発表した8月新築住宅販売件数(季節調整済み)は前月比7.1%増の年率換算71万3000戸と7月の同8.6%減(改定前は12.8%減)から急反発し、6月(72万9000戸)以来2カ月ぶりの高水準となった。また、市場予想の65万9000戸を上回った。

 70万戸台に急増したのは、19年に入ってから6月に続いて2回目となる。最近の急速な住宅ローン金利の低下に刺激された面が大きい。6-8月の月平均は70万3000戸となり、前3カ月(5-7月)の66万4000戸を5.9%も上回った。

 過去3カ月の数値も改定され、7月は前回発表時の63万5000戸から66万6000戸、6月も72万8000戸から72万9000戸と、いずれも上方改定された。5月は60万2000戸から59万8000戸に下方改定されたが、この3カ月間で計2万8000戸も上方改定され、住宅市場の改善を示した。

 季節要因を無視できる前年比は18%増と、7月の同9.4%増(改定前は同4.3%増)に続いて3カ月連続で前年水準を上回り、一段と堅調となった。1-8月累計販売件数でみても前年比6.4%増と、18年水準を上回っている。

 全体の販売件数のうち、着工前の販売件数は前月比20.2%増の22万戸と急増した一方、建築中の新築住宅の販売件数は同6.2%減の22万8000戸と減少した。

 8月の住宅価格をみると、中央値(季節調整前)は住宅需要の高まりを受け、前月比7.5%上昇の32万8400ドルと、7月の同0.3%低下から4カ月ぶりに上昇に転じ、4月(33万9000ドル)以来4カ月ぶりの高値水準となった。前年比も2.2%上昇となった。販売価格帯をみると、手ごろ価格の物件不足や住宅ローン金利の低下を反映し、40万ドル超の高額物件の販売比率が37%と、7月の27%を上回り、高めの物件にシフトした。その一方で15万-30万ドル未満の手ごろ物件の販売比率は前月の45%から41%(1年前は40%)に低下している。

 地域別の販売件数は北東部が前月比5.9%減(前年比横ばい)、中西部も同3%減(同7.2%減)と、急減したが、これとは対照的に全体の約6割を占め販売件数が最も多い南部が同6%増(同24.9%増)、また、全体の約3割を占め、南部に続いて販売件数が多い西部も同16.5%増(同17.9%増)と大幅に増加した。

 住宅供給面をみると、8月の新築住宅在庫(着工前や建築中の住宅も含む。季節調整値)は前月比1.2%減(前年比2.5%増)の32万6000戸と、前月の同0.3%減に続いて3カ月連続で減少し、18年9月以来約1年ぶりの低水準となった。住宅バブル期の在庫水準(45万戸)の72%の水準にとどまっている。これを8月の販売ペースで計算した新築住宅の在庫水準は5.5カ月相当(1年前は6.3カ月相当)と、7月の5.9カ月相当を下回った。住宅建築業界が需要と供給のバランスが取れた容認可能な水準とする6カ月相当を下回っており、全体的には供給が減少していることを示す。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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