米9月コアCPI、前月比0.1%上昇―市場予想下回り鈍化

経済

2019/10/11 9:56

<チェックポイント>

●中古自動車や薬品・医療機器、アパレルが全体を押し下げ

●全体指数、前月比横ばい―8月は0.1%上昇

●インフレ抑制で10月利下げ観測依然根強い

 米労働省が10日発表した9月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたもの)が前月比0.1%上昇と8月の同0.3%上昇から伸びが鈍化した。市場予想の同0.2%上昇も下回った。4カ月連続で0.1%上昇の低い伸びを示した5月以来、4カ月ぶりの低い伸びに逆戻りした。前年比は2.4%上昇となり、8月や市場予想と一致した。これで6カ月連続してFRBの物価目標(2%上昇)を超えた。

 コア指数の前月比の内訳をみると、CPIの構成ウエートが高い賃貸住宅の家賃やホテル宿泊料などの「シェルター」価格(家賃・宿泊費)は0.3%上昇(同0.2%上昇)と底堅かったものの、メディカルケアサービスは0.4%上昇(同0.9%上昇)、航空運賃は0.8%上昇(同1.7%上昇)と、前月より伸びが鈍化した。

 また、中古車(乗用車とトラック)は1.6%低下(8月は1.1%上昇)と、大幅に落ち込んだ。薬品や医療機器など医療関連用品は0.6%低下(同0.3%上昇)、アパレルは0.4%低下(同0.2%上昇)、アルコール飲料は0.3%低下(同0.1%上昇)と、急減速した。

 CPI全体指数(季節調整後)は原油価格、主としてガソリン価格が一段と低下したことを受け、前月比横ばいと8月の同0.1%上昇から伸びが減速し、1月以来8カ月ぶりの低い伸びとなった。また、市場予想の0.1%上昇も下回った。一方、前年比は1.7%上昇と、前月と変わらなかったが、市場予想の1.8%上昇を下回った。

 CPI統計発表後のニューヨーク債券市場では、長期金利の指標である10年国債の利回りが1.603%と、発表前の1.58%から0.023ポイント上昇し、利下げ圧力がやや緩和した。ただ、9月コアCPIは前月比で伸びは鈍化したこと、FRBが最も重視しているコアPCE(個人消費支出)物価指数がFRB物価目標を下回りインフレが抑制されていることから、次回10月29-30日FOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げ観測は依然根強い。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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