<新興国eye>カンボジア中央銀行、BISのグリーンボンドファンドに参加
2019/10/11 11:14
9月26日、BIS(国際決済銀行)は各国中央銀行向けのグリーンボンドファンドを発足させました。このファンドは、各国の中央銀行から集めた資金をグリーンボンドに投資するものです。
投資対象は、格付け「A」以上で、国際資本市場協会が定めるグリーンボンド原則、気候債券イニシアティブ(CBI)が定める気候ボンド基準に合致したグリーンボンドとなります。ファンドは、ドル建てで、各国の中央銀行の外貨準備等からの資金を集めるとしています。
BISでは「各国の中央銀行の投資力を集めることで、市場参加者の行動に影響を与えることができると確信している」としています。
カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)は9月26日、このグリーンボンドファンドに、ファンドの諮問委員会の委員として参加すると発表しました。NBCのチア・チャント総裁は、「中央銀行として、経済・社会・環境への気候変動のインパクトによる金融リスクを軽減する役割を果たすことが必要である。全ての機関が、グリーンファイナンスを促進し、気候に優しい投資を支持する方針を確立することを強く奨励したい」と述べています。
国連総会が行われた米ニューヨークでの気候行動サミットでのスウェーデンのグレタ・トゥンベリさん(16歳)の演説が注目を集めました。カンボジアの中央銀行が、こうしたグローバルな問題にも取り組むことは大変意義のあることであり、今後の活動が期待されます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。1982年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。07年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin-Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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提供:モーニングスター社
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