<新興国eye>世銀報告書「ビジネス環境の現状」―カンボジアは144位

新興国

2019/11/8 12:08

 世界銀行は、毎年ビジネスのしやすさをランキングした「Doing Business(ビジネス環境の現状)」を発表しています。190カ国/地域を対象とした「Doing Business 2020」は、10月24日に発表されました。

 カンボジアは、19年は144位と、18年の138位から順位を若干下げました。周辺国は、タイ21位(前年27位)、中国31位(同46位)、インド63位(同77位)、ベトナム70位(同69位)、ラオス154位(同154位)、ミャンマー165位(同171位)、バングラデシュ168位(同176位)でした。第1位はニュージーランド、日本は29位でした。

 10種類の項目で評価されていますが、カンボジアについては、借入の容易さ(Getting Credit)が高く評価されており25位となっています。カンボジア信用機構(CBC)の活動が評価されています。比較的容易と考えられているビジネス開始が引き続き187位と大変悪くなっています。時間を要する多くの手続きと、1人当たり所得と比べた開設コストの高さがネックとなっています。

 カンボジアも投資環境の改善努力を積み上げてきてはいるものの、投資促進のための努力も国際的な競争が厳しく、なかなか順位向上には結びつかないようです。日本政府・民間との二国間協議等を通じて、投資環境の粘り強い改善が図られることが期待されます。

【筆者:鈴木博】

1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。1982年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。07年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin-Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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提供:モーニングスター社

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