日経平均は61円高と4日続伸、連日で年初来高値更新、TOPIXは1年1カ月ぶり1700回復=8日後場

 8日後場の日経平均株価は前日比61円55銭高の2万3391円87銭と4日続伸し、連日で年初来高値を更新した。朝方は、買い優勢で始まった。中国商務省は7日、米中の貿易交渉に関し「追加関税の段階的な引き下げで合意している」と発表し、NYダウが最高値を更新した流れを受け、一時2万3591円09銭(前日比260円77銭高)まで上昇した。一巡後は、上げ幅を縮小し、前場終盤には下げに転じる場面もあった。ナバロ米大統領補佐官が「現時点で合意はない」と述べたと報じられ、懐疑的な見方から株価指数先物に売りが出た。その後、持ち直したが、戻りは限定され、大引けにかけて2万3400円近辺で推移した。

 一方、TOPIX(東証株価指数)も4日続伸し、前日比4.64ポイント高の1702.77ポインとなり、終値で昨年10月18日以来ほぼ1年1カ月ぶりに1700ポイントを回復した。

 この日算出の日経平均先物ミニ・オプション11月限のSQ(特別清算指数)値は2万3637円93銭。東証1部の出来高は16億2680万株、売買代金は3兆1255億円。騰落銘柄数は値上がり1028銘柄、値下がり1022銘柄、変わらず103銘柄。

 市場からは「米高官発言を受けて一時売られたが、決裂した訳ではない。基本的に合意する方向性にあり、成り行きを見守るしかない。ただ、長めの陰線を付け、幻のSQ値に終わり、早期にこのラインをクリアできないと上値抵抗線として意識されることになる」(準大手証券)との声が聞かれた。

 業種別では、テルモ<4543.T>、ニコン<7731.T>などの精密株が上昇。JFE<5411.T>、神戸鋼<5406.T>などの鉄鋼株や、トヨタ<7203.T>、ホンダ<7267.T>などの輸送用機器株も高い。三菱商<8058.T>、伊藤忠<8001.T>などの卸売株や、住友倉<9303.T>、上組<9364.T>などの倉庫運輸関連株も堅調。特殊陶<5334.T>、日電硝子<5214.T>などのガラス土石株も買われた。

 半面、資生堂<4911.T>、ライオン<4912.T>などの化学株が軟調。SUMCO<3436.T>、LIXILG<5938.T>などの金属製品株や、三菱地所<8802.T>、東建物<8804.T>などの不動産株も売られた。

 個別では、クニミネ<5388.T>、レック<7874.T>、フジオフード<2752.T>、ソウルドO<6553.T>、加賀電子<8154.T>などの上げが目立った。半面、山田コンサル<4792.T>、ハウスドゥ<3457.T>、富士ソフト<9749.T>、フィールズ<2767.T>、フジシール<7864.T>などの下げが目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、20業種が上昇した。

(イメージ写真提供:123RF)

提供:モーニングスター社

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