英保守党が総選挙で圧勝、EU離脱大きく前進へ(上)

経済

2019/12/27 11:41

 12日の英総選挙では、保守党が365議席と単独過半数に必要な326議席を超える圧勝となり、野党との議席差が80議席と、英市場調査会社ユーガブによる6議席のリードとする予想をはるかに上回るサプライズとなった。

 最大野党の労働党はEU残留を狙って2回目の国民投票を選挙公約に掲げたものの、同党のコービン党首が反ユダヤ主義との批判を受けたことで、EU残留支持の有権者から思うほど支持が得られなかった。

 選挙前、ジョンソン首相は7日付のデイリー・テレグラフ紙への寄稿文で、「自民党とSNP(スコットランド国民党)がそれぞれ6議席増やせば、労働党との連立政権が誕生する。その場合、イギリスは2つの国民投票が行われることになる。1つはEU離脱、もう1つはスコットランドの英国からの独立だ。労働党はEU離脱の国民投票で英国在留の数百万人もの外国人にも投票権を与えると主張している」とした上で、「(そうなれば)英国議会は今後何年間も、また、何十年間も国民投票をするだけしか何もできなくなる」と警告していた。

 実際、テレグラフ紙は9日付で、保守党の内部メモ(7日付)を引用し、「コービン党首は現状の議席から1議席も増やさなくても、自民党やSNPなどの少数野党がわずか12議席増やすだけで、労働党連立政権が成立すると危機感を募らせていた」と暴露していた。それほど今回の選挙は「close call(きわどい差)」(同紙)が予想されていた。(「中」に続く)

提供:モーニングスター社

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