<新興国eye>ルーマニア中銀、政策金利2.50%を据え置き―13会合連続

新興国

2020/1/9 10:48

 ルーマニア国立銀行(中銀)は8日の金融政策決定会合で、主要政策金利である1週間物レポ金利を2.50%に据え置くことを決めた。

 また、中銀は主要政策金利の±1ポイントのレンジの上限にあたる市中銀行に資金供給するためのロンバート型貸出金利を3.50%、下限にあたる資金吸収のための預金金利を1.50%にいずれも据え置いた。一方、金融システム内の流動性を適切に管理するため、市中銀行が中銀に預ける預金準備率についても自国通貨建ておよび外国通貨建ての預金準備率をそれぞれ8.00%に据え置いた。

 中銀は18年1月、08年8月1日会合以来9年5カ月ぶりに金融引き締めに転換。同2月も追加利上げを実施し、利上げ幅は計0.50ポイントに達したことから、同4月に現状維持を決めた。しかし、翌5月に3カ月ぶりに0.25ポイントの利上げを再開。同7月には現状維持に戻り、これで13会合連続の据え置きとなる。

 中銀は会合後に発表した声明文で、現状維持を決めたことについて、19年11月の前回会合時と同様、インフレが依然、物価目標(中心値2.5%上昇)の許容範囲(1.5-3.5%上昇)を超えているものの、今後、物価目標に向かって収束すると、楽観的に見ていることを挙げている。

 インフレの現状認識については、「インフレ率は19年10月に前年比3.4%上昇と、9月の同3.5%上昇から伸びが鈍化したが、11月には同3.8%上昇と、伸びが加速し、物価目標の許容範囲を上回った。しかし、これは最新の四半期インフレ報告書で示された中期予測通りだった」とした。

 インフレ見通しについては、「19年末時点でインフレ率は物価目標の許容範囲をやや超えるものの、その後は短期間で、19年11月の四半期インフレ報告書で示された中期予測をやや下回る、物価目標の許容範囲の後半(2.5-3.5%)に落ち着く」と楽観的に見ている。

 ただ、前回会合時と同様、「インフレ見通しに対するリスクや先行き不透明感は国内の選挙日程を控え、政府の将来の財政や所得に関する政策スタンスから生じているだけでなく、ユーロ圏や世界各国の景気動向や、地政学的な緊張(中東情勢や米中貿易摩擦、英国の欧州連合からの離脱など)、さらにはECB(欧州中央銀行)とFRB(米連邦準備制度理事会)の金融緩和スタンスなどにより、インフレ見通しは一段と不透明になっている」との見方を据え置いた。

 次回の金融政策決定会合は2月7日に開かれる予定。

<関連銘柄>

 iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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