米19年12月コアCPI、前月比0.1%上昇―市場予想下回る

経済

2020/1/15 10:27

<チェックポイント>

●アパレルと医療が高い伸び―シェルターと中古車が鈍化

●全体指数、前月比0.2%上昇―11月の0.3%上昇から鈍化

●インフレ依然抑制で1月FOMCは政策金利現状維持見通し

 米労働省が14日発表した19年12月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたもの)が前月比0.1%上昇と11月の0.2%上昇から減速し、9月(0.1%上昇)以来3カ月ぶりの低い伸びとなった。また、市場予想の0.2%上昇に対しても下回った。前年比は2.3%上昇と、10月、11月に続いて3カ月連続で横ばい。市場予想と一致した。

 コア指数の前月比の主な内訳をみると、医薬品や医療機器など医療関連用品が1.5%上昇(11月は0.1%上昇)と伸びが加速したほか、アパレルは0.4%上昇(11月は0.1%上昇)と5カ月ぶりの高い伸びとなった。

 それとは対照的に、CPIの構成ウエートが高い賃貸住宅の家賃やホテル宿泊料などの「シェルター」価格(家賃・宿泊費)が0.2%上昇(11月は0.3%上昇)、たばこも・喫煙具も0.2%上昇(同0.8%上昇)と、いずれも伸びが鈍化。中古車(乗用車とトラック)は0.8%低下(同0.6%上昇)と、低下に転じた。

 CPI全体指数(季節調整後)は前月比0.2%上昇と11月の0.3%上昇を下回り2カ月連続で減速。市場予想の0.3%上昇に対しても下回った。ただ、ガソリンは2.8%上昇と11月の1.1%上昇から大幅に加速した。一方、前年比は2.3%上昇と11月の2.1%上昇から加速し、18年10月の2.5%上昇以来、1年2カ月ぶりの高い伸びとなったものの、市場予想の2.4%上昇を下回った。

 CPI統計発表直後、ニューヨーク債券市場で長期金利の指標である10年国債の利回りは1.864%と、発表前の1.865%からほぼ変わらずとなった。12月コアCPIは前年比の伸びが変わらず、FRBが最も重視しているコアPCE(個人消費支出)物価指数は19年11月が前年比1.6%上昇(全体指数は同1.5%上昇)と物価目標を下回りインフレが落ち着いていることから、市場では今後もこうした低インフレが続けば、20年は利上げに転換する可能性は低いとみている。また、次回1月28-29日開催FOMC(米連邦公開市場委員会)では政策金利を据え置くとの見方が根強い。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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