米12月小売売上高、前月比0.3%増―市場予想と一致

経済

2020/1/17 11:16

<チェックポイント>

●歳末商戦好調で3カ月連続増

●ガソリンや建築資材・園芸、アパレルが大幅増

●コア小売売上高、前月比0.5%増

 米商務省が16日発表した19年12月小売売上高(季節・営業日調整後)は速報値ベースで前月比0.3%増の5296億ドルと11月の同0.3%増(改定前は0.2%増)や10月の同0.3%増に続いて3カ月連続の増加となった。市場予想の同0.3%増とも一致した。

 前年比は5.8%増と11月の同3.3%増から伸びが加速し、過去30年間の平均の伸びをやや上回った。

 12月の内訳は、全13業種のうち、12業種で増加した。増加幅が大きかったのは、アパレルの前月比1.6%増(11月は0.5%減)や建築資材・園芸の1.4%増(0.1%増)、スポーツ用品・趣味・楽曲・書籍の0.9%増(3.1%減)、電子機器・家電の0.6%増(0.3%減)。一般小売販売も0.6%増(0.1%増)となった。ただ、このうち百貨店はオンライン小売との競争激化で0.8%減(0.8%減)と5カ月連続で減少した。対照的に、オンライン小売は0.2%増(11月は横ばい)と伸びが加速した。

 一方、自動車・同部品の同1.3%減(同1.5%増)だった。

 月ごとに変動が激しいガソリンスタンドは、ガソリン価格の上昇を反映し、2.8%増と11月の1.0%増からさらに伸び、3月以来9カ月ぶりの高い伸びとなった。全体の小売売上高からガソリンスタンドと自動車・同部品を除いた実質の小売売上高は同0.5%増(11月は同0.2%減)となり、全体の伸びを上回った。ガソリンスタンドと自動車・同部品、建築資材や飲食レストランを除いた、いわゆる“コア小売売上高”(コントロール・グループ)は前月比0.5%増となり、市場予想を上回った。なお、自動車・同部品だけを除くと、同0.7%増(同横ばい)と、、ガソリンスタンドだけを除いた場合、同0.1%増(同0.2%増)と、低い伸びにとどまる。

 19年全体の小売売上高は前年比3.6%増となった。トランプ米大統領の1.5兆ドルの大規模減税の効果で6年ぶりの大幅増となった18年の4.9%増を下回るが、市場では堅調な雇用情勢を背景に今後も個人消費が底堅さを示すと見ている。

 12月小売売上高が強い結果を示したことを受け、10年国債利回りは発表前の1.783%から1.802%と0.019ポイント上昇した。市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)は次回1月29日FOMC(米連邦公開市場委員会)で政策金利を据え置くと見ている。FRBも19年12月11日のFOMCで20年末まで金利据え置きの方針を示している。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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