来週の日本株の読み筋=落ち着きどころを探る展開か、新型肺炎をめぐる不透明感は続く
来週(3月2-6日)の東京株式市場は、落ち着きどころを探る展開が予想されるものの、新型肺炎をめぐる不透明感は続くとみられる。
2月28日の日経平均株価は大幅に5営業日続落し、2万1142円(前日比805円安)引けとなった。新型肺炎の感染拡大への警戒感が強まり、27日のNYダウが過去最大の下げ幅を記録したことを受け、リスク回避の売りが加速した。対主要通貨で円高が進み、アジア株の全面安も投資家心理の悪化につながり、下げ幅は一時1000円を超え、心理的なフシ目となる2万1000円を割り込む場面もあった。
週次(2月25-28日)の下げ幅は2243円に達し、リーマン・ショックが襲った08年10月第2週の2661円以来の大きさとなった。これだけの調整を挟めば、株価の下げは早晩一服してもおかしくない。日経平均は18年末の下げの底打ちポイントにもなったPBR1倍(直近では2万700円程度)が強く意識されており、そろそろ売り圧力が弱まる可能性もある。
もっとも、新型コロナウイルスによる肺炎感染は世界的な広がりをみせ、いまだ収束する気配はない。春になって気温が上昇すれば、沈静化するという見方は少なくないが、熱帯地方や地中海エリア、南半球でも感染者が発生している実情を踏まえると、安易に断言することはできない。世界経済や企業業績に対する実態悪はこれから本格的に表面化してくるため、その度合いによっては株価への織り込みがさらに進むことも考えられ、一段安へのリスクは消えていない。
なお、スケジュール面では、国内で2日に19年10-12月期法人企業統計、6日に1月家計調査、1月景気動向指数が発表される。海外では2日に米2月ISM(全米供給管理協会)製造業景況指数、3日にIOC(国際オリンピック委員会)理事会(5日まで)、米スーパーチューズデー、4日に米2月ADP(オートマチック・データ・プロセッシング)雇用統計、米2月ISM非製造業景況指数、6日に米月貿易収支、米2月雇用統計などが予定されている。
提供:モーニングスター社
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