米2月コアCPI、前月比0.2%上昇―市場予想通り

経済

2020/3/12 10:25

<チェックポイント>

●コア指数、自動車修理やアパレル、シェルターが高い伸び―エネルギーは低下

●全体指数、前月比0.1%上昇―市場予想上回る

●インフレ依然抑制で次回FOMCでの追加利下げ見通し変わらず―市場観測

 米労働省が10日発表した2月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたもの)が前月比0.2%上昇と1月の伸びと変わらず、市場予想通りとなった。一方、前年比は2.4%上昇と1月の同2.3%上昇を上回った。

 2月統計では中国で発生した新型コロナウイルス(COVID-19)の影響はあまり見られなかったが、今後、ウイルス感染拡大による世界経済の減速が進むことや、OPEC(石油輸出国機構)プラス会合の減産協議決裂を受けたサウジアラビアの価格値下げ競争の開始で原油価格の一段の低下を反映し、インフレ率は弱まるとの見方が市場では大勢だ。

 コア指数の前月比の内訳をみると、自動車修理が0.7%上昇(1月は0.2%上昇)となったほか、たばこ・喫煙具が0.6%上昇(同0.3%上昇)、中古車(乗用車とトラック)は0.4%上昇(同1.2%低下)、アパレルは0.4%上昇(同0.7%上昇)となった。

 対照的に、医薬品・医療装置は0.6%低下(同0.6%低下)となったほか、航空運賃が0.3%低下(同0.7%上昇)、メディカルケア(処方箋代や病院治療費)のうち、病院は0.1%低下(同0.8%上昇)となった。

 一方、CPI全体指数(季節調整後)はガソリン価格が減速したことを受け、前月比0.1%上昇と、前月と同じ伸びとなり、2カ月連続で低い伸びが続いている。ただ、市場予想の横ばいを上回った。

 前月比では、ガソリンは3.4%低下と、前月の1.6%低下からさらに減速した。この結果、エネルギー全体では2.0%低下(1月は0.7%低下)と、2カ月連続で減速した。一方、食品は0.4%上昇と1月の0.2%上昇の2倍となった。一方、前年比は2.3%上昇と、1年3カ月ぶりの高い伸びとなった1月の2.5%上昇から減速した。

 2月コアCPIは前年比の伸びが2.4%上昇にやや加速したが、FRBが最も重視しているコアPCE(個人消費支出)物価指数は1月が前年比1.6%上昇(全体指数は同1.7%上昇)と、依然、物価目標を下回りインフレが落ち着いていることから、市場では、FRBが0.50ポイントの緊急利下げに続いて、次回3月17-18日FOMC(米連邦公開市場委員会)での追加利下げを予想している。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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