<新興国eye>カンボジア20年第1四半期貿易統計―日本への輸出増加

新興国

2020/5/29 12:00

 日本の財務省が発表した貿易統計によりますと、20年第1四半期(1月~3月)のカンボジアから日本への輸出額は、対前年同期比3.3%増の517億2750万円でした。また、カンボジアの日本からの輸入額は、対前年同期比5.8%増の121億5748万円でした。

 カンボジアから日本への輸出品で大きく伸びたのは、バッグ類(構成比10.1%)で、対前年同期比34.3%増の52億4980万円でした。また、自動車部品のワイヤーハーネス等の電気機器(構成比5.2%)は29.5%増の26億9898万円となりました。主要輸出品である衣類(構成比65.1%)は0.2%増の336億7745万円、はき物(構成比11.5%)は9.3%減の59億4076万円にとどまりました。

 日本からの輸入品では、一般機械(構成比27.5%)が40.1%増の33億4105万円となりました。ブルドーザー等の建設機械やエアコンが伸びています。また、二輪自動車(構成比7.3%)も25.1%増の8億8838万円と好調でした。大きく減少したのは肉類(構成比6.0%)で、54.5%減の7億2367万円でした。日本の高級牛肉と思われますが、その大半は中国に再輸出されていると言われています。中国が日本からの直接輸入を再開する動きがあり、大きく減少したものと見られます。

 今回の貿易統計には、まだ新型コロナウイルスの影響が表れていないものと見られます。4月以降は、輸出入とも大きな影響が出ることが見込まれ、今後の統計に注目が集まりそうです。

【筆者:鈴木博】

1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin-Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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提供:モーニングスター社

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