防衛株の石川製などカイ気配、朝鮮半島情勢緊迫、中国・インド国境の衝突も思惑視

株式

2020/6/17 9:00

 小型の防衛関連銘柄に物色の矛先が向かい、石川製作所<6208.T>や豊和工業<6203.T>、細谷火工<4274.T>がカイ気配で始まった。北朝鮮が、韓国との軍事境界線の近くの開城にある南北の共同連絡事務所を爆破。また、中国とインドの国境付近で衝突が発生、兵士20人が死亡したと伝わり有事の買い注文を集めている。

 北朝鮮は韓国にいる脱北者団体が金正恩朝鮮労働党委員長を批判するビラを飛ばしたことに反発し、金委員長の実妹の金与正朝鮮労働党第1副部長が韓国を警告する談話を公表していた。16日には開城の共同連絡事務所を爆破し行動で示した格好。さらに17日には、開城工業団地と南東部の金剛山に軍を展開させる方針を北朝鮮の国営メディアが報じている。

 機雷を手掛ける石川製は、朝鮮半島の異変などの際に株価が思惑で急騰する傾向がある。小銃や迫撃砲メーカーの豊和工や、火薬、照明弾の細谷火工も値動きの軽い防衛株と認識されている。

 一方、中国軍とインド軍がにらみ合う係争地域のラダック地方ガルワン渓谷では、16日に両軍が衝突し、投石や殴り合いによって少なくとも20人のインド兵が死亡したという。世界がコロナ・ショック後の局面に移行する中、くすぶっていた地政学リスクが拡大しつつある。

 防衛産業では三菱重工業<7011.T>、川崎重工業<7012.T>、IHI<7013.T>、三菱電機<6503.T>、NEC<6701.T>などが大手に位置付けられる。中・小型株は日本アビオニクス<6946.T>、東京計器<7721.T>、カーリットホールディングス<4275.T>、多摩川ホールディングス<6838.T>などが知られる。

提供:モーニングスター社

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