米6月中古住宅販売件数、前月比20.7%増の年率472万戸―前年比は3カ月連続で減少
2020/7/27 10:07
●4カ月ぶり増加―活動自粛制限の解除など背景
●販売価格は前年比3.5%上昇の29万5300ドルと高水準
●6月未販売住宅(在庫)は適正水準を下回る
NAR(全米不動産業協会)が22日発表した6月の中古住宅販売件数(季節調整済み)は、前月比20.7%増の年率換算472万戸と、過去最大の伸びとなり、4カ月ぶりに増加に転じた。市場予想の470万戸もやや上回った。ただ、新型コロナウイルス感染拡大の影響が出る前の2月水準を18%下回り、季節要因を無視できる前年比も11.3%減と3カ月連続で前年水準を下回った。
NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ヤン氏は、「新型コロナウイルス感染拡大で自宅待機していた消費者の住宅購入意欲に支えられ、販売件数は強い回復を示した」とし、「過去最低水準の住宅ローン金利や雇用回復が続く限り、こうした中古住宅市場の活況は今後も長く続く」と楽観的な見方を示した。
地域別の販売件数を見ると、全米4地区のすべてで増加した。全体の4割以上を占める南部は前月比26%増(前年比4%減)の218万戸、西部は31.9%増(同13.6%減)の95万戸、中西部は11.1%増(同13.4%減)の110万戸、北東部は4.2%増(同27.9%減)の49万戸となった。
中古住宅価格は中央値で前月比4.1%上昇の29万5300ドルと上昇に転じ、前年比では3.5%上昇と100カ月連続で前年水準を上回った。過去の平均価格(19年は27万1900ドル、18年は25万9300ドル、17年は24万7200ドル、16年は23万3800ドル)を上回っており、予算が限られた低・中所得の住宅購入者にとっては頭痛の種だ。主力の一戸建ても同様で、6月は前年水準より3.5%高い29万8600ドルとなった。
住宅供給の過不足感を示す6月時点の未販売住宅(在庫)は、前月比1.3%増の157万戸と2カ月連続で増加したが、同月の販売ペースに換算した在庫水準は4カ月分と、適正水準とされる6カ月分を依然下回っており、住宅価格の高騰要因となっている。ヤン氏は、「ロックダウン中、住宅価格が上昇したが、住宅購入需要が強く、住宅供給がかなり不足しているので、住宅価格は一段と上昇していく」と見ている。
住宅価格が低下しない要因の一つに、格安なフォークロージャー(住宅不動産の差し押さえ=競売)物件やショートセールズ(フォークロージャー手続きに進む前の早い段階で債務者と債権者が協議して住宅を任意売却)物件などのディストレスト物件の供給が依然細っていることがある。6月のディストレスト物件の販売比率は3%と、前月と変わっていない。ただ、1年前の2%をやや上回っている。
一方、住宅供給不足と高水準の住宅価格が続く中、6月の新規住宅取得者の比率は35%と、前月の34%や19年と18年の各33%を上回ったが、1年前と同じだった。
提供:モーニングスター社
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